ポーラは2027年1月1日、発売10周年を迎えるシワ改善美容液「リンクルショット メディカル セラム(以下、リンクルショット)」(医薬部外品、20g・1万5400円)を刷新する。3代目となる新製品は、独自のシワ改善有効成分ニールワンに、肌荒れを防ぐ有効成分トラネキサム酸を加え、ブランド初のダブル有効成分処方を採用。シワ改善効果に停滞感を抱く使用者の課題を捉え、真皮の修復力と柔軟性に着目した研究、継続使用を支える処方・容器設計を組み合わせた。シワ改善市場を切り開いた先駆者として、シワケアの次の成長を目指す。

左から、2017年に誕生した初代、3代目、21年に刷新した2代目
同社は02年にシワ発生メカニズムの研究を開始し、16年7月にニールワンが日本で初めてシワ改善の医薬部外品有効成分として承認された。17年に初代リンクルショットを発売し、21年には2代目へと進化。初代は発売から9カ月で約80万本、売上高112億円を記録。リンクルショットの累計販売数(17年1月~26年8月末)は522万本を超え、愛用者は201万人に達した。

ポーラ小林琢磨社長
シワ改善を訴求する製品が広がる一方、「長く使用しても深いシワが改善していないように感じる」という顧客の声が、新たな開発課題になった。ポーラの小林琢磨社長は「市場を切り開いてきた私たちには、次の未来へ導く使命がある。次に目指すのは、シワ悩みという概念そのものをなくすことだ」と語る。

3代目のリンクルショット メディカル セラム
3代目の開発では、シワが改善しにくい理由を肌の成り立ちにまでさかのぼって探った。ポーラの研究によると、シワが深くなるほど真皮下層の組織の分解が進み、厚さが薄くなる一方、同層の線維芽細胞は生まれながらに修復力が低い。また、真皮下層は太く硬いコラーゲン線維束からなり、表情の動きによって肌にかかる力「表情圧」を分散しにくいことも、シワの改善しにくさに関わると考えた。
そこで、真皮下層の修復力を高め、柔軟な構造へと再構築する鍵として着目したのが、シワ超修復因子「RSPO3」だ。同因子の発現が高い状態では、真皮の構造やしなやかさを支える複数のタンパク質の産生が高まることを確認。これを踏まえ、マロニエエキスとマツリカエキスの独自複合保湿成分「シフトコアCP」を新たに配合した。
従来からのニールワンは、真皮の成分を分解する酵素「好中球エラスターゼ」の働きを抑えることで、シワを改善する。3代目ではこれにトラネキサム酸を加えた。表情圧や紫外線の影響を受けた表皮で炎症が強まる仕組みに着目し、肌荒れを防ぐ有効成分として採用した。真皮の過剰な分解を抑える従来のアプローチに、表皮側の炎症への対応を組み合わせ、処方を強化する。
毎日の使いやすさも見直した。現行品には、メイクへの影響を気にして朝の使用を控えるという声があった。3代目では、シワ部位への密着感と保湿力を保ちながら、肌表面のべたつきを軽減し、朝のメイクのりや崩れにくさまで考えた感触に改良した。その基盤となるのが、新開発の「3Dオイルゲルネットワーク」処方だ。3次元構造化したオイルゲルがしなやかな保湿膜を形成し、表情圧がかかっても亀裂が入りにくい状態を維持する。さらに、ニールワンを一度に放出せず、緩やかに肌へ届ける「ニールワンタイムリリース処方」も採用した。

リンクルショット ブランドマネージャーの水野愛理氏
容器とブランドの世界観も一新する。デザインコンセプトは「意志の痕跡」。古代の壁画や遺跡など、長い年月を経て残る表現から着想を得て、自然物の色彩と質感を容器に取り入れた。外箱には赤土に着想を得たオレンジ色を採用し、研究を重ねてきたブランドの意志を表現する。
容器の口元は、シワが気になる部位へ適量を出しやすいヘッドを新たに開発した。先端の形状や吐出口の大きさ、肌に当たる斜めの角度を調整し、片手で狙った部位に塗布しやすい設計に仕上げた。リンクルショットブランドマネージャーの水野愛理氏は「長年、シワ改善研究に向き合ってきた私たちだからこそ、シワケアには毎日心地よく最適な量を使い続けられることが何より重要だと考えています」と話す。
3代目は、国内ではポーラのビューティーディレクターや「ポーラ ザ ビューティー」、百貨店、公式オンラインストアなどで販売する。海外では香港、台湾、マカオ、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシアの七つの国と地域、および韓国の免税店で順次発売する予定だ。さらに27年中には、ブランド初となる「飲む、リンクルショット」を機能性表示食品として発売する計画だ。主力美容液の刷新に加え、食品へと領域を広げることで、長年蓄積したシワ研究を新たな事業展開につなげていく。






















