植物療法(フィトテラピー)の普及・教育に取り組むフランス発のAMPPは10月2日、アジア支部を設立した。フランスで植物療法を学び、日本で約30年にわたり教育や研究開発に携わってきた森田敦子氏が代表を務める。フランスの大学や専門家との連携を基盤に、科学的な視点を取り入れた教育体系を整備し、中国やインドネシア、ベトナム、台湾などアジア各国への展開を目指す。

森田敦子AMPPアジア代表
森田氏は1990年代からフランスで植物療法を学び、帰国後は日本でスクール運営や研究開発を通じて普及に取り組んできた。一方、日本では植物療法などの自然療法が医療や高齢者介護の現場で活用される機会が限られていることを課題として捉えてきた。
転機となったのが、中国やインドネシア、ベトナム、台湾などから寄せられた連携の打診だ。日本で培った教育や普及のノウハウをアジアへ広げるため、フランスのAMPP関係者らとの調整を経てアジア支部の設立に至った。展開に当たってはフランスの知見を一方的に持ち込むのではなく、各国に根付く伝統的な療法も尊重する。
森田氏は「フィトテラピーは健康を支えるさまざまな療法の一つ。日本には漢方もあり、ホメオパシーもある。それぞれの専門家と手を携え、できれば婦人科の先生を中心に、これから女性の健康に携わっていきたい」と話す。植物療法だけで完結させるのではなく、医療を軸に異なる専門領域をつなぐ考えだ。

左から、松浦晃一郎AMPPアジア名誉顧問(第8代ユネスコ事務局長)、対馬ルリ子AMPP日本支部支部長(医学博士、婦人科専門医)、ベランジェール・アルナールAMPP代表(医学博士、フランス産婦人科医、フランス国立パリ13大学の前責任者)、森田敦子AMPPアジア代表(サンルイ・インターナッショナル代表)、松峯寿美AMPPアジア副代表(医学博士、産婦人科専門医)
アジア支部では今後、三つの柱を掲げて活動を広げる。まずは、より多くの人が植物療法を体系的に学べるよう、2027年の実施をめどにフィトテラピー検定の準備を進める。次に台湾やマレーシアなどアジア各地へフランス発のフィトテラピーの学びを広げ、さらに日本で培ってきた医療と植物療法の実践モデルをアジア各国へ発信する計画だ。
その基盤として重視するのが科学的な視点である。植物に含まれる機能性成分は気候や栽培環境などによっても変化することから、成分分析や臨床で蓄積された知見を学びに取り入れる。森田氏は「『検定』という言い方をするとビジネス的に聞こえるが、多くの臨床と分析を踏まえ、特にアジアに向けてはサイエンスをしっかり取り入れて勉強できる仕組みを、フランスの大学と組んで伝えていきたい」と強調する。
アジア支部の発足を機に、日本をフランスとアジア各国をつなぐ拠点と位置付け、各国の文化や伝統を尊重しながら植物療法の普及を進めていく。






















