7月末から夏休みをとった。家族と羽田から大館能代空港に飛び、レンタカーを借りて世界遺産の白神山地へ。コテージに2泊し、悠久の森を散策したり、海水浴をしたり、花火を楽しんだ。その後、弘前に移動し、初めてねぷた祭りに足を運んだ。観覧者は地元の人が多いのか、青森のねぶた祭りほどの人出ではない。沿道に座ると、目の前を大きな山車が通過する。大迫力の掛け声にも圧倒され、家族そろって釘付けになった。娘の記憶には残ったはずだ。翌日は妻の故郷函館に移動。私は一晩だけ泊まり、妻子を残して帰路に就いた。白神山地にほど近い青森県深浦町は小さい街である。ハッピー・ドラッグに買い物に行くと、レジ台の上にアベンヌウオーターをキレイに高く並べ、大きなPOPを付けて強く訴求。全店で推奨販売を徹底する日本の小売業の底力に改めて驚いた。夏休みの前、インドネシア、ベトナム、シンガポールを回ったが、化粧品売り場づくりは日本企業の方が上手い。現地に進出するイオンなど組織流通の売り場は地元客を取り込み、賑わっている。だが、日本には化粧品に強い業態がたくさんある。製販連携の海外進出も選択肢の一つではないか。

月刊『国際商業』2025年10月号掲載