シック・ジャパンは10月6日、Z世代向けビューティグルーミングブランド「Schick FIRST TOKYO(シックファースト トーキョー)」から、ニキビケア発想のシェーバー「シックファースト パーフェクトディフェンス ホルダー」(全2色、各本体+替刃2個、各1980円※編集部調べ)、「同 替刃」(2個入り 1430円※同)を発売する。全国のドラッグストア、量販店、ECサイトなどで順次展開する。ニキビ部分への刃の接触を抑えるシック史上初の新技術「アクネシールド」を搭載。思春期から若年層に多い「ニキビがあっても身だしなみとしてヒゲは剃りたい」という潜在ニーズに応える。

後藤秀夫シック・ジャパン社長兼北アジア地域社長

シックファーストは2024年9月に誕生。シェーバーに加えてシェービングジェルやクリームまでをそろえ、シェービング経験の浅いZ世代に使い方を含めた提案を進めてきた。今回、さらに踏み込んだのが、10~20代の代表的な肌悩みであるニキビとシェービングの関係だ。後藤秀夫シック・ジャパン社長兼北アジア地域社長は「身だしなみを整えるためにシェービングをしたい一方、肌が荒れていたり、ニキビがあったりすると、そこを避けて剃らなければならない。そうした声が非常に多かった」と開発の起点を説明する。

こうした相反するニーズに応えるため、グローバルの研究開発部門と連携。日本の消費者の声を起点に2年以上をかけ、20以上の試作品を検証しながら製品化した。シックにとっても新たな技術で、世界に先駆けて日本から投入する。核となる「アクネシールド」は、刃の上部に独自のシールドを設け、盛り上がったニキビ部分をガードすることで刃が直接触れるのを抑える構造だ。これに、肌の凹凸に沿って刃が上下に動く「フレキシブルブレード」と、刃と刃の間にスキンガードを配置して肌との接触を増やし、圧力を分散する「スキンガード付き4枚刃」を組み合わせた。ニキビが気になる部分への負担を抑えながら、ヒゲはしっかり剃るという両立が難しかった課題に、刃の構造からアプローチした。

後藤社長は、同社が目指す「ビューティーグルーミング」について、「肌を守るスキンケア、シェービングで身だしなみを整えること、そしてシェービング後に肌をケアすること。この3つをトータルで提案していく」と説明する。シェービングだけでなく、その前後のスキンケアまでを一体で捉える考え方だ。スキンケアというと化粧水や乳液などで肌にうるおいを「与える」ことに目が向きがちだが、同社はシェービング時に肌を「守る」こともその一部と位置付ける。

若年層へのアプローチでは、製品投入と並行して「正しい剃り方」の啓発にも力を入れる。同社と朝日新聞社が共同で実施した調査では、初めてシェービングを経験する10代の約52%が、周囲に相談せずにシェービングを始めていることが分かった。同社はこうした行動を「サイレントシェービングデビュー」と表現する。思春期はヒゲが生え始める時期と、ニキビなどの肌トラブルが増える時期が重なる一方、身だしなみへの関心を家族などに相談することへの抵抗感もある。自己流のシェービングが肌への負担につながる可能性があることから、皮膚科医とも連携し、製品だけでなく正しいシェービング方法を伝える活動を進める。

発売に合わせ、テレビCMとウェブCMも展開する。コミュニケーションでは「ニキビ肌でも、もう怖くない」を打ち出し、ニキビを避けながら恐る恐る剃るというシェービング体験そのものを変えることを狙う。後藤社長は「日本でニキビや肌荒れに悩んでいる人たちに届け、その人たちのシェービングライフを楽しいものに変えていきたい。世界的にも期待されている製品であり、多くの人に届けていきたい」と力を込める。

シック・ジャパンは日本で65年以上にわたり事業を展開し、カミソリ・シェービング市場で30年連続シェア1位、50%以上のシェアを持つ(インテージSRI+カミソリ市場<ホルダー、ディスポーザブル、替刃>1995年11月~2025年10月)。シェービングの前後を含めたビューティーグルーミングへと事業領域を広げる中、Z世代を担う戦略ブランドの一つとしてシックファーストを手掛ける。後藤社長は「カミソリの会社から、革新的なビューティーグルーミングカンパニーを目指している」と方向性を語る。

月刊『国際商業』2026年10月号掲載