伊勢丹新宿店 本館地下2階 「イセタン ビューティーアポセカリー」が2026年3月25日にリニューアルオープンした。日本初常設店の「PANPURI(パンピューリ)」「SINN PURETE(シン ピュルテ)」など4ブランドの新規導入や、先端技術を活用したコスメやサービスを展開するサイエンススキンケアゾーンを新設するなど、ナチュラル・オーガニックを軸としてきた従来の枠組みを拡張し、サイエンスやテクノロジー領域を取り込んだ「統合的な発想で寄り添う、美と健康のかかりつけショップ」へと進化する。

「イセタン ビューティーアポセカリー」は本館地下2階に2000年に前身となるライフスタイル提案型ストア「BPQC」としてスタートし、08年に本館2階に「ビューティーアポセカリー」として誕生。12年に現在の地下2階へ移転し、約400ブランドとともにナチュラル・オーガニックのトータルビューティー提案を行ってきた。今回が14年ぶりの大型刷新となる。

刷新の背景は、顧客ニーズの変化がある。これまで同フロアはナチュラル・オーガニックを志向する顧客に支持されてきたが、「近年はその層においても関心が広がり、より具体的な予防や課題解決を求める傾向が強まっている。一方で、売り場は従来のコンセプトを色濃く残しており、顧客ニーズとの間にギャップが生じていた」(鳥谷悠見 伊勢丹新宿店 イセタン ビューティーアポセカリー バイヤー)。加えて、地下2階という立地特性から来店客数が伸びにくいという課題もあった。こうした状況を踏まえ、顧客のニーズを起点にフロア全体のMDを見直し、来店動機を明確化した。

新コンセプト「統合的な発想で寄り添う、美と健康のかかりつけショップ」のもと、売り場を再編。新たにサイエンスコスメやビューティーデバイスを導入し、既存の強みであるナチュラル・オーガニックとテクノロジーを横断した提案が可能となった。新規出店は4ショップ、平場を含めると約15ブランドが加わり、来店客の選択肢を大きく広げた。

同時に、体験価値の強化も図った。フロア内には半個室のカウンセリングスペースやトリートメントルーム(2室)を新設し、肌測定やディープカウンセリングに対応。コンシェルジュカウンターも設け、顧客一人一人の状態に応じた提案を行う体制を整えた。物販中心から、滞在・体験型の売り場へとシフトした。

出店ブランドも、接客や世界観の表現を重視する企業が中心となる。新規4ブランドの「パンピューリ」「ロクシタン」「シンピュルテ」「ティアラリーン-バイオプログラミング」は、シンクを設置したほか、カウンセリング重視の接客空間や没入型の香り体験、トリートメントサービスなどを提供。ブランドごとの価値を深く伝える構成とした。新設したサイエンススキンケアゾーンでは、「iCell(アイセル)」「KUJIME(クジメ)」「MIROS(ミロス)」など幹細胞培養上清液やリポソーム化など先進美容テクノロジーを採用した次世代スキンケア体験を提案する。ビューティーデバイスゾーンは、「CELL CURE(セルキュア)」「ELECTRON(エレクトロン)」「marbb(マーブ)」など人気の美容家電を集積した。また、主軸のヘアケアやインナーケアカテゴリーも、フロア全体の強みとして位置付けている。

5年で150%成長

 顧客構造を見ると、同フロアは購買意欲の高い層の比率が高いのが特徴だ。三越伊勢丹のハウスカード利用率も高く、年齢層は1・2階の化粧品フロアより約5歳上。男性比率は約12%となっている。売上高は19年から24年で約150%成長。リニューアル後はさらなる伸長を見込み、2026年度(4月~27年3月)は前年比約120%を目指す。

集客については、館外と館内の両面からアプローチする。新規出店ブランドによる新規顧客の呼び込みに加え、店内新客に対しては顧客データを活用し、地下フロアへの誘導を図る。これまで来店機会の少なかった層に対しても、新たなMDを通じて接点を創出する考えだ。