花王は東急不動産と協働し、酷暑下でも街歩きを楽しめる環境を提案する「STAY in the SHADE」プロジェクトを、東急プラザ表参道「オモカド」を拠点に7月30日から8月5日まで実施した。適度に日陰で休憩しながら街を回遊する「令和の街ブラ」を打ち出し、暑熱対策を商品の提供から街の体験設計へと広げた。

オモカド6階屋上の「おもはらの森」には、リラックマやすみっコぐらしなどサンエックスの人気キャラクターをあしらったパラソルとデッキチェアを設置。館内では、すみっコぐらしを探すフォトラリーを実施した。原宿・神宮前エリアの約10店舗も、購入の有無にかかわらず涼める場所として店内を開放し、街全体で日陰や涼しい場所を活用する回遊体験を提案した。

8月1、2日には「ビオレ 冷タオル」と「ビオレUV アクアリッチ ライトアップエッセンス」の試供品を配布。「ビオレ 冷タオル」は、30℃の屋外で使用した場合、使う前の肌温度からマイナス3℃が1時間続く冷却シートで、日陰が少ない場所を移動する際の暑さ対策として活用した。


花王は酷暑を熱中症などの健康リスクだけでなく、生活者の行動や街の活力にも影響する社会課題と捉え、解決策の提案を強化している

花王と東急不動産による原宿での暑熱対策は3年目となる。2024年に「ヒヤカド」を展開し、25年には「原宿-3℃はじめました。」として活動を原宿エリアへ拡大。今回は商品の体験提供にとどまらず、街にある日陰や涼しい場所を回遊に組み込み、夏を前向きに楽しむ新たなライフスタイル提案へと発展させた。

背景にあるのは、酷暑を熱中症などの健康リスクだけでなく、生活者の行動や街の活力にも影響する社会課題と捉える考え方だ。発表会で花王上席執行役員グローバルコンシューマーケア部門 ヘルスビューティケア事業部門長の畑瀬孝利氏は、暑さによって外出をためらったり、外出しても十分に楽しめなかったりすることで「夏ならではの体験価値そのものが損なわれている」と指摘。「熱中症対策に加え、夏を安全に楽しめる社会環境づくりが必要」と強調した。

花王は暑熱対策を、働く現場、未来世代、街・地域社会の3領域で進めている。法人向け暑熱ケア事業「ビオレの冷サポート」は、26年7月時点で導入企業・団体が800を突破。自治体や教育機関、スポーツ大会、消防署などにも広がっている。子ども向けには紫外線教育プログラム「太陽の教室」や熱中症予防を学ぶ出張授業を展開する。

畑瀬上席執行役員は今後について、日本で培った暑熱対策の知見を「商品、文化、啓発」の三つの側面から世界の生活者に届ける方針を示した。「STAY in the SHADE」をその一歩と位置付け、パートナーとの連携を通じて、酷暑時代を乗り切る新たな生活価値の創出につなげる。★

月刊『国際商業』2026年10月号掲載