上海の場末のバーに入った。路地を進まなければたどり着けない店で、日本人だけで飲むような雰囲気ではない。オーナーはチベット族の女性。カウンターでは、ミャオ族の男性と漢民族の女性が飲んでいた。2人は恋人同士だという。3人はそれぞれの民族の風習について、分からないことを率直に話していた。納得もあれば反発もある。真面目な話もあれば、冗談も飛ぶ。少数民族と漢民族が自然に言葉を交わすその風景は、報道を通じて知る中国とは少し違って見えた。一緒にいた中国人は、「こうした多様性もまた、中国社会のリアルだ」と言った。机の上の情報だけでは見えないものがある。これからも現地現物にこだわり、情報を集めたい。チベット族の伝統酒は、うまかった。

月刊『国際商業』2026年05月号掲載

この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。

ログイン