ニーズの高度化で参入障壁がアップ

ペット市場のトレンドは湧くように生まれている。飼料扱いだったフードは、人間と同じ食品製造基準を満たすフレッシュフード(冷凍ミール)という新カテゴリーが急成長を果たし、腸内フローラ(善玉菌)に着目した食事、サプリメントも売れ行きが好調。ペットのオーラルケア習慣も広がり始め、犬猫専用の音波歯ブラシが登場。皮膚や被毛の健康美をかなえるスキンケア提案まで始まっている。

人間生活を生き写しにしたような商品・サービスの需要が盛んなのは、ペットに対する日本人の価値観が大きく変化しているからだ。例えば、日本人と犬の関係は、番犬という使役動物から、平成のペットブームで愛玩動物に変わった。近年では伴侶動物としての地位を確立。ペットを人間の家族同様に考える「家族化」「人間化(ヒューマニゼーション)」の考えがコロナ下で浸透した。自宅でペットと過ごす時間が増え、家族同様の存在になり、飼い主は、最後まで元気で幸福に暮らしてほしい、と家族への願いと重なり合う。それが消費行動に直結する。

この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。

ログイン