エビスがオーラルケア市場で台風の目になりつつある。同市場の主要カテゴリーは、ハミガキ、ハブラシ、液体、口腔ケアの四つ。そのうちハブラシにおいて、同社は2023年の市場シェアで花王を抜いて3位に躍り出た。小誌の調査ではエビスは14年にライオン、サンスター、花王に次ぐ4位に浮上したが、花王との差は4ポイント以上も開いていた。それが19年と20年は2.1ポイント、21年が1.5ポイント、22年が0.7ポイントと差を縮め、23年は1.6ポイントの差をつけて3位になったのだ。さらにハミガキでもヒット商品が生まれている。口腔ケア強化も視野に入れ、エビスは市場開拓に本腰を入れている。

エビスのハブラシは、幅広ヘッドで有名な「プレミアムケア」が主力ブランドである。通常の2倍の穴数に植毛し、接触面積を広くすることで、簡単に効率よく、しっかり磨き上げるのが特徴だ。品ぞろえは美白タイプや歯垢除去タイプ、歯茎に優しいタイプなど約35種類。ライオンの「システマ」の約20種類、サンスターの「ガム」の約15種類よりも圧倒的に多い(公式サイト参照https://www.ebisu-grp.co.jp/premiumcare/)。また、ホテルやゴルフ場などでサンプリング施策を展開し、磨き心地の良さを体験してもらうトライアルを促進。50代から60代を中心に需要を獲得している。大手が先行するコンパクトヘッドではなく、幅広ヘッドを採用して差別性を確立した。

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