circuRE act(サキュレアクト)は、サステナブルブランド530(FIVE THIRTY)より、国産の新原料を配合した「sea design soap」(70グラム・2530円)を発売する。7月9日に実施したオンラインキャラバンでは、塩原祥子社長が藻類の歴史や世界での活用方法について解説。その中で、国内外で電気事業を展開するJ-POWERが10年以上前から研究を続けている微細藻類のソラリス株、ルナリス株(以下、これらの二つの株を合わせて「ソラルナ」)についても紹介。この微細藻類は他の種よりもオイル蓄積量が多く、将来的には2050年にSAF(持続可能な航空燃料)としての活用を期待されている。「その長期的な目標の一方で、今できることはないかと考え、誕生したのが530の商品です」(塩原社長)。
ソラルナの特徴は①海水で培養ができるという②オイル含有量が多い③油を抽出した後に残った残渣も活用の可能性がある、と大きく三つだ。また、同社がこだわるのが地産地消で、このソラルナから抽出したソラルナオイルをパーム油に代わる化粧品原料として活用することで、国産原料の開発を進めていく考えだ。
「sea design soap」は、6月10日〜7月9日の間Makuakeで先行販売、7月17日より自社サイトで本格展開。7月31日からは@cosmeTOKYOでリアル店舗にも進出している。肌に優しい自然派の洗浄剤として、ヤシ油、オリーブ果実油、ヒマシ油、シア脂、カカオ脂、アボカド油を使用。肌への潤いは国産オリーブ由来のスクワラン、ソラルナオイルで洗浄剤による肌の潤いを奪いすぎないように工夫した。またカミツレを配合し、大人の揺らぎ肌をケア、肌荒れに悩む大人肌でも安心して使用できる食用素材を採用している。製造は昔ながらのコールドプロセス製法で、日々の気温や湿度にあわせて職人が丁寧に作り上げている。
しかし、この石けんはあくまで第一弾。塩原社長は「今年は自分たちが使う分しか抽出ができないですが、25年度以降は大規模な培養がスタートしますので、その暁には、他のメーカーさんと組んで、製剤の研究をしたり、さまざまな原料になるための研究を他企業と組んでやっていくことで、自分たちがプラットフォーマーになり、新しい原料が早く普及するような体制を作っていけたらなと思っている」と今後への意気込みを力強く語った。★
月刊『国際商業』2024年09月号掲載