プレミアム化の加速で市場拡大が続く
IoT(ペットテック)を使ったペットとの共生を支える商品、サービスが増えている。特に活況なのが、猫向けの商品。その中で売れ筋はオーエフティーが輸入・販売する中国製の自動猫トイレ「CATLINK SCOOPER(キャットリンク スクーパー)」である。トイレの内部を回転させることで猫砂を選り分け、おしっこで固まった猫砂や排泄物をトイレから自動で掬い上げる。排泄物は、臭い対策を施した大容量コンテナに貯める。さらにスマートフォンで猫の体重を事前登録すると、個体識別しながら排尿量も記録。猫の多頭飼いでも使用できる。
2020年の発売以降、機能の改善を重ねながら品ぞろえを増やし、現在は全4種を展開。特に定価7万4000円の最高級品「SCOOPER PRO-X」は、品質、サイズ感、独自アプリの使い勝手、価格のバランスが優れていると高評価を獲得し、最も売れているという。いつでも、どこでも愛猫を見守りたいという欲求と世話の負担を軽減したいという欲求を満たしていることが、ヒット要因になっている。
PRO-Xは高い機能性だけでなく、適切なアフターケアによって人気を得ている
ただ、世話の簡便化を訴求する自動猫トイレは21年頃から参入企業が増えており、競争が激しくなっている。中国や米国などの海外ブランドが主流であることから、消費者は販売後のアフターケアの品質を気にするようになっている。オーエフティーの若林昇一郎専務は「使い方の説明から修理まで、適切なアフターケアを提供しなければ、顧客満足度は高まらない。これが自動猫トイレ市場の先頭を走り続ける原動力になっています」と言う。
実際、自動猫トイレで生活者の信用を得たCATLINKシリーズは、ワイヤレスファウンテン(自動給水機)、RFID Pet Feeder(横取り防止自動給餌機)などの展開に広がりを見せている。排泄や給餌回数、体重の変化など、さまざまなデータを一元化し、猫の健康状態を総合的に管理できる。人間の手間を減らすだけでなく、猫がより健康で心地よく生活できるオールインワンのサービスは消費者の支持を得ている。
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