P&Gは6月下旬に、アリエールMiRAiを発売。発売に先立ち、6月20日には新製品新CM発表会を開催した。
冒頭登壇したP&Gインターナショナル・オペレーションズ シニア ヴァイスプレジデントファブリック&ホームケア アジアパシフィック フォーカスマーケットの木葉慎介氏は新製品の開発背景並びに製品について説明。P&Gは、これまでも日本の消費者のニーズを理解し、付加価値を創造し暮らしを改善してきたブランドだ。2009年には無添加ニーズのさらさ、14年には時短ニーズのジェルボール、21年には菌対策ニーズの除菌バージョン、22年には効率化ニーズに応えた4in1ボールドを発売。木葉シニアヴァイスプレジデントは「日本で起こっていることは高い確率で世界で起こる。よって日本はP&Gにとって最重要なデザインマーケットの一つ」と語った。
今回、アリエールはいくつかの日本の社会構造の変化に着目した。一つは働く女性の増加だ。これにより家庭観が変化し家事は家族でシェアするものになり、洗濯をする人が多様化している。二つ目が働くシニアの増加。最後が、ウォッシャブル衣類の普及でクリーニング市場が縮小、家庭で洗えるものの種類が増加し、洗濯が複雑化していることなどだ。そうした中、ビッグイノベーションとして発売されるアリエールMiRAiは多様になる消費者、洗濯環境に最適化された洗剤で、「誰もが失敗しないお洗濯へ」を使命としている。「同品は、従来とは一線を画す、洗った後まで菌を予防する、洗った後まで洗濯し続けることが可能な洗剤」(木葉シニアヴァイスプレジデント)。また、パッケージは①コンパクト②握りやすい③分かりやすい④測りやすい⑤おしゃれの五つのポイントを徹底した誰もが使いやすいユニバーサルパッケージとなっている。
その後、P&Gイノベーション合同会社ファブリックケア研究開発本部の廣瀬貴史グループヘッドが登壇。菌に関する説明とともに、新製品の技術的な解説を行った。新製品の主な特徴は、特許手法で菌が増殖できない環境を作り、着用中・洗濯後に菌を増殖させない菌予防をかなえたこと。「除菌とも抗菌とも一線を画した菌予防テクノロジーで、20年ほど試行錯誤した特許手法。日本の過酷な洗濯環境の中で第一に洗濯に求められる〝洗浄力〟を高い状態で達成しながら、菌予防テクノロジーを搭載するのに苦労した。バランスよく配合することで安定化することに成功し、製品化に至った。P&Gの本国であるアメリカよりも先に、衛生意識が高い日本で一番初めに投入します」(廣瀬グループヘッド)。
また同会では、ゲストとして新CMキャラクターの大泉洋とゆうちゃみが登場。洗濯やアリエールMiRAiに関するクイズや、実際にアリエールMiRAiを使った後の菌の動き、臭いの比較などを行った。大泉はアリエールMiRAiを実際使ってみた感想として「一日着ても最後の方で嫌な臭いがしないとか、靴下を一日履けば最後の方はとても気になるものだけど、その臭いがしないので楽だなと思いました。本当に革命的な洗剤」と語った。
同製品の発売によりP&Gは過去最大級の市場拡大、世界最大規模の売り上げインパクト、過去最大級のマーケティング投資という三つの最大級の実現を目指す。★
月刊『国際商業』2024年08月号掲載