小林製薬の2024年12月期第1四半期業績は、売上高は前年同期比9.0%増の364億8500万円、営業利益0.6%減の50億2800万円、経常利益5.7%増の54億6100万円、親会社株主に帰属する四半期純利益72.9%減の9億7600万円となった。売り上げは、国内事業は、インバウンド需要が13億円増加したことや、Sawaday +&Emotion、ヒプキュアなどの新製品がプラス8億円の寄与。これらのプラスが、カイロの暖冬の影響による減収や通販の苦戦等をカバーした。営業利益は、原材料値上がりの影響や人件費の増加により微減益となった。
セグメント別に見ると、国内事業では洗いたての気持ちいい香りでつめ替え可能な芳香・消臭剤「消臭元SAVON」、繰り返すめまいに効く漢方薬「メイマック」、声が出にくい“声がれ”を声帯の炎症を鎮めながら改善する漢方薬「コエキュア」、鼻をひたして水流で毛穴汚れを洗う優しいデイリーケア製品「ケアナボン ひたし洗い液」など、昨年春に13品目、秋に17品目を発売した新製品が売り上げに貢献した。また、訪日外国人数の増加に伴い、インバウンド需要も増加し、売り上げに貢献した。さらに、昨年下期に広告費を増やしたことで、国内売上は順調に伸長した。その結果、売上高は3.3%増の270億1000万円、セグメント利益は6.8%増の38億4900万円となった。
国際事業は、米国では、サプリメント・一般医薬品を販売しているFocus社を23年10月に買収し、それによる売り上げへの貢献があった。中国では昨年のコロナ下での「熱さまシート」の需要増の反動もあり減収となった。東南アジアでは、主力の「熱さまシート」「アンメルツ」が好調に推移した。これらにより売上高は19.8%増の106億2800万円、セグメント利益は21.5%減の10億6100万円となった。
その他は、売上高10.1%増の16億7800万円、セグメント利益は8.8%増の1億600万円となった。
24年12月期通期業績は、現在、健康被害拡大抑止に向け紅麹関連製品の回収を進めており、その業績に与える影響度を見通せないことから前回公表数値をいったん取り下げ、未定とした。また、紅麹関連製品の回収事案の発生により、24年12月期第1四半期会計期間において、38億6200万円を特別損失として計上した。内訳は、同事案の発生による現時点で合理的に見積り可能な範囲の製品回収関連損失36億4800万円、また同事案に関連する製造設備の減損損失2億1300万円となっている。