アジア最大規模の国際美容展示会「コスモプロフ・アジア香港(Cosmoprof Asia Hong Kong)2023」が発祥の地・香港に戻ってきた。2023年11月14日〜17日までの4日間、「コスモパック・アジア」と「コスモプロフ・アジア」を同時開催。シンガポール開催を余儀なくされるなど、新型コロナ禍の影響を大きく受けたが、26回目の23年は香港開催となり、11月15日に行われた開会式で「香港に戻ってきた!」とスピーチが相次いだように、多くの人々がコスモプロフ・アジア香港の正常化を心待ちにしていたようだ。

コロナが明け、化粧品業界のアジアの祭典が戻ってきた

香港のアジアワールドエキスポで行った「コスモパック・アジア」(11月14〜16日)は原材料や包装などの化粧品素材を展示。一方、香港コンベンション・エキシビジョンセンター(HKCEC)で行った「コスモプロフ・アジア」(11月15〜17日)は、化粧品や洗面用品、ヘアサロン用品などのブランド、商品が出展した。出展社数の合計は、44の国・地域から2400社以上。さらにフランス、ドイツ、日本、韓国、中国、オーストラリアなど17の国・地域がパビリオンを設置し、各国が化粧品産業の育成に力を入れていることが分かる。日本企業の出展は70社で、ジェトロ支援のジャパンパビリオンには20社が参加した。

来場者数は119の国・地域から6万5582人で、19年の香港開催との比較で64%増になった。なお、20年と21年はリアル開催を休止し、オンライン開催のみ。22年のシンガポール開催は2万1612人だった。

「まだ中国人の来場者は戻っていないが、明らかに増えています。その一方で、ASEAN、欧州、米国の業界関係者との商談に時間を費やすことができています。中国市場に依存していた海外戦略を改革するためにも、多様な国・地域の方々と出会えるコスモプロフ・アジア香港を活用していきたい」(化粧品メーカー幹部)

来場者の耳目を集めた日本企業の一つは、コスメカンパニーだ。@honeyやTHERATIS、8 THE THALASSO、Amino Masonなどのブランド群を有し、日本のヘアケア市場をけん引している。各ブランドの競争力は海外にも知れ渡っており、ブース内は黒山の人だかりができていた。コスメカンパニーは国内市場の競争に力を入れてきたことから、海外事業の拡大は今後の重要なテーマ。世界中の美容業界の関係者との出会いは、大きな価値があるだろう。

24年のコスモプロフ・アジア香港は、コスモパック・アジアが11月12日〜14日、コスモプロフ・アジアが11月13日〜15日に行うことが決定している。中国本土からの来場者が戻れば、一段と会場が熱を帯びるのは間違いない。

月刊『国際商業』2024年03月号掲載