またか。誰もが同じ思いだろうが、オミクロン株による感染が拡大している。全国の感染者は右肩上がりに増え、まん延防止等重点措置が適用される自治体も広がっている。一筋かもしれないが、年末年始に化粧品の売れ行きが好調だったのは、希望の光と言える。特に、カウンセリング販売の拠点である百貨店や化粧品専門店から届く、久しぶりのうれしい悲鳴は、第六波を乗り越えた先にある市場回復を強く意識させるものになった。その一方で、気になる傾向は、新製品が売り難くなった、と各方面で耳にすることだ。外出制限下に貯めたお金があるから話題の商品、憧れの商品を買いたい。このニーズが強いためか、既存品の売れ行き、外資系ブランドの売れ行きが良いという。コロナの有無に関わらず、ブランド価値の浸透、際立つ商品の開発に努力した成果だろうが、新製品が育ち難い環境には一抹の不安を感じる。1月に開催された化粧品開発展の来場者は、肌感覚では多いと感じた。出展者や来場者に聞くと、第六波後の市場に期待し「いよいよ戦略を仕込む」と笑顔。化粧品市場の反転攻勢を期待しつつ、まずはコロナ対策に専念したい。

月刊『国際商業』2022年03月号掲載

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