衣料用洗剤市場は熱い夏を迎えた。花王は2023年8月5日、スティック形状の衣料用洗剤「アタック ZERO パーフェクトスティック」を発売した。店頭価格(編集部調べ)は7本入りが約250円、24本入りが約750円、51本入りが約1500円。1回当たりの洗濯単価は29~35円程度である。一方、ライオンは従来機能の洗浄と消臭に衣類の色変化を抑える新機能を加えた高濃度コンプリートジェル「NANOX one(ナノックス ワン)」を9月20日に発売する。価格は現行品の1~2割引き上げる。両社ともに強気の値段設定で、高付加価値競争は一段と激しくなる。大手2社の攻勢に対し、P&Gは静観の構えだ。今夏は既存品のリニューアルが多く、不気味な存在になっている。いずれにせよ、23年夏の洗剤売り場は活気づいている。
花王の「アタック ZERO パーフェクトスティック」は、洗濯機にそのままポンと入れるだけで使えるスティック形状の衣料用洗剤である。近年は共働き世帯の増加により、家事においても時短やタイムパフォーマンスへのニーズが増加。約9割の生活者が「洗濯の手間をできるだけ減らしたい」と考えている。商品をつまんで洗濯機に入れるだけで洗濯できるワンショットタイプは、簡便ニーズの顕在化を見越し、粉末でも液体でもない提案を行ったP&Gのジェルボールが確立したカテゴリー。ジェルボールは洗剤市場の2割弱を得ており、花王は満を持してP&Gに挑むことになる。
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