J.フロントリテイリング(JFR)は9月27日、スタイリングライフ・ホールディングス(SLH)の株式のうち、J.フロントが保有する全株式を、SLHが実施する自己株式取得により譲渡し、またSLHが実施するSLHパートナーズ投資事業有限責任組合に譲渡したことを明らかにした。これにより、SLHはJFRの持分法適用関連会社から除外されることとなる。
JFRは2011年3月にSLHを持分法適用関連会社とし、SLHとの事業シナジーの創出に向け、JFRの百貨店事業やSC事業が運営する店舗へのSLHの「プラザ」ブランドの店舗展開やSLHが展開するビューティ&ウェルネス事業との協働、共同出資による台湾でのプラザ事業の展開への試み、また人財交流を通じたノウハウ共有などを推進してきた。
一方でJFRは、経営環境の変化が一段と加速するなか、今年度を最終年度とする中期経営計画において、主力の百貨店事業やSC事業など既存事業の進化とともに、事業ポートフォリオの変革を見据えたデベロッパー事業など非小売分野での事業拡大、また事業・資産の見極めなど経営構造改革を推進している。こうしたなか、今後のSLHとの資本関係や事業提携などについて検討していたところ、今般、SLHによる自己株取得および株式譲渡の条件等について、SLHおよびSLHパートナーズ投資事業有限責任組合と合意に至ったことから、JFRが保有するSLHの株式を自己株取得によりSLHに譲渡し、株式譲渡によりSLHパートナーズ投資事業有限責任組合に譲渡した。
これらの取引により、JFRは2030年を見据えた中長期の成長実現に向け、経営資源を主力事業や成長分野に集中することできる。SLHも新たな資本関係のもとで資本効率、企業価値のさらなる向上が期待できる。
なお、24年2月期第3四半期連結業績において、自己株取得および株式譲渡に伴う売却益を約7億円計上する見込みだ。