ユニリーバ・ジャパンは、2021年4月に取引先とともによりサステナブルな物流をめざす新取引制度を導入し、1年間で物流に必要なトラックの台数を約4,000台、CO₂排出量を1,063トン削減した。また、トラックドライバーおよび物流従事者の作業時間を約5,800時間削減し、ホワイト物流にも貢献している。

近年、運ぶモノと回数の増加や、トラックドライバー不足により、物流危機が懸念されている。2030年には運んでほしいモノの約3割が運べなくなるともいわれている。トラックドライバー不足の大きな要因のひとつは、労働時間の長さや作業負荷の高さだ。運転時間が長いだけではなく、出荷元や納品先での待ち時間や積み下ろし作業が負担を増やしているケースが多く見られる。また、地球環境保全の観点からは、空車走行や待機時のアイドリングの排ガスが大きな課題となっている。

ユニリーバ・ジャパンは、世界共通の成長戦略「ユニリーバ・コンパス」のもと、ドライバーや物流従事者にも地球環境にも負担の少ない、よりサステナブルな物流を推進してきた。2021年4月に導入した新取引制度にも、物流の効率化や労働環境の向上のため、次のような取引条件を新たに追加している。

・物流の効率化につながる「満車割」「パレット割」「早期発注割」を導入
すべてのお取引先、すべての製品を対象に、トラックが隙間なく積める量の製品を発注すると割引になる「満車割」、ケース単位ではなくパレット単位で発注すると割引になる「パレット割」、1週間以上前に発注すると割引になる「早期発注割」を導入した。トラック満車単位だと輸配送に必要なトラックの台数を減らすことができる。パレット単位だとトラックにケースを一つひとつ手で積む必要がなく、トラックドライバーの作業時間や負担を減らせる。

・日用品・化粧品大手初!すべての発注を翌々日以降配送へ変更
日用品・化粧品大手としては初めて、すべての発注において、納品日を受注日の翌々日以降にし、ゆとりをもって準備・配送できるようにした。納品日にゆとりがあると、ドライバーが無理なスケジュールで運ばなくてもよくなるだけではなく、中継輸送による日帰り運行が可能になる。

導入直後から「満車割」「パレット割」「早期発注割」を多くの人が活用したことで、21年4月から22年3月末までの1年間で、トラックの台数を約4,000台、CO₂排出量を1,063トン、トラックドライバーおよび物流従事者の作業時間を約5,800時間削減することができた。また、この新取引制度を含むさまざまな貢献が認められ、「令和4年度 グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰」にて、パートナー企業7社ともに、大賞 国土交通大臣表彰を共同受賞。今後も自社や直接取引のあるビジネスパートナーだけではなく、業界全体に変化を広げ、サステナブルな物流が“あたりまえ”になる社会をユニリーバ・ジャパンからつくることをめざす。