コーセーは12月26日午前4時、メジャリーガーの大谷翔平選手とグローバル広告契約を締結したことを明らかにした。
大谷選手は1994年7月5日生まれの28歳。花巻東高校から2013年にドラフト1位で北海道日本ハムファイターズに入団し、17年にメジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスに移籍。そして21年にはア・リーグの最優秀選手(MVP)に選出された。まさに日本が生んだスーパースターである。
コーセーは23年1月1日(元旦)から大谷選手を起用した広告コミュニケーションを順次展開。最初はコーポレートブランディングで始まり、その後、各ブランドの広告にも起用する。大谷選手は、日本はもちろん、アジア、米国で抜群の知名度を持つ。今回のグローバル広告契約は、コーセー全体のプレゼンス向上はもちろん、各ブランドの成長加速も期待できるだろう。
「日本国内の化粧品市場は、コロナが逆風となり、回復が遅れている。大手メーカーの一つであるコーセーが世界的なスターと契約し、積極果敢なプロモーション戦略を打つことは市場活性化に寄与するはずだ。小売業にとって化粧品は重要な商材の一つ。コーセーの23年には大いに期待したい」(大手ドラッグストアバイヤー)
コーセーは1946年の創業以来、中長期ビジョンとして「世界で存在感のある企業への進化」を掲げ、「今までの延長線上にない新たな価値の創造」をテーマにモノづくりや顧客との関係づくりに力を注いできた。昨今は、これからの顧客づくりの拡大領域をグローバル(Global)、ジェンダー(Gender)、ジェネレーション(Generation)の三つと位置づけ、その頭文字である「3G」をキーワードに、ビューティが持つ新たな可能性を探り、独自の化粧文化や価値の創出に挑んでいる。
この「3G」強化の一環として、世界を舞台に活躍し、性別や年齢を問わず多くの人々に愛されている大谷選手と契約を結ぶことになった。
コーセーの小林一俊社長は、大谷選手と初めて会ったとき、誠実な人柄に触れ、文字通り、一目惚れしたという。大谷選手は、小さなころから強い日差しの中で泥まみれで白球と夢を追いかけてきた。厳しい練習や大きな挫折、それでも夢をあきらめず、常に前向きに今なお世界で挑戦を止めないその姿は、見ている人々に勇気や感動を与え、世界中の人々を幸せな気持ちにしている。小林社長が抱いた第一印象は、誰もが理解できるだろう。
一方、大谷選手は、企業との協業では、商品・サービスを試用し、価値に納得できなければ契約を結ばないという。今回も、コーセーの商品を実際に試したという。その上で、スポーツと美容(美)で共通する点について「スポーツも美容も、楽しく健康でいるためには欠かせない、毎日を充実させてくれるものだと思います」とコメントしている。
いわばコーセーと大谷選手は相思相愛。大谷選手は、人々に夢や希望を届けている。コーセーは、国籍、人種、価値観、そして性差や年齢などにとらわれず世界中の人々の肌を守り、心豊かに幸せな人生を過ごせるよう取り組みを進めている。今後のコラボレーションでは、多様な展開が期待できる。世界中に日本に興味を持つ生活者が増えれば、化粧品産業のグローバル化にも追い風になるはずだ。
第1弾の広告展開、23年1月1日(元旦)に新聞広告(朝日新聞〈全国〉、読売新聞〈全国〉、日本経済新聞〈全国〉、北海道新聞、岩手日報、岩手日日新聞、河北新報)を展開。さらに同日10時よりMaison KOSÉオンラインサイト(https://www.kose.co.jp/)で広告ビジュアルを公開する。
それに先駆け、12月26日4時に公式Youtubeでメイキングムービーを公開した。
撮影時の様子は、以下のようだったという。
「爽やかな白シャツを纏い、『よろしくお願いします』とスタッフに丁寧に挨拶をしながらスタジオ入り。監督から撮影に関する説明を受けながら、大谷選手も撮影シーンの雰囲気や目線の位置など、自ら積極的に質問し、今回のビジュアルのコンセプトへの理解を深めている様子でした。
カメラの前に立つと、柔らかい笑顔、爽やかな笑顔、屈託のない笑顔など、監督のオーダーにあわせて、様々な種類の“笑顔”をみせる大谷選手。どの笑顔も自然な表情で、現場も一段と和やかな雰囲気に包まれました。
野球ボールを手に持ったカットの撮影では、ボールの持ち方や見せ方は手慣れた様子で、監督からの細かな指示にも迅速に対応していました。撮影終了後には、マウンドに立つ大谷選手とは打って変わり、スタッフにボールを軽く投げ返し、優しい投球を見せてくれました」
コーセーの23年は、世界中に大きなインパクトを与える施策で幕を開けた。大谷選手との協業がビジネスの成長にどう結びつくか要注目である。