花王は、メイクブランド「media(メディア)」の新商品をはじめとするパウダーファンデーションの中皿の素材に、JEPLAN社(旧日本環境設計)が保有するケミカルリサイクル技術を用いて同グループ会社のペットリファインテクノロジーが製造するケミカルリサイクルPET(ポリエチレンテレフタレート)を7月以降、順次採用すると発表した。

今回の取り組みを通して、花王化粧品事業のメイクカテゴリーにおいてもバージンプラスチックの使用量を削減し、サステナブルなモノづくりを進めるとともに、化粧品プラスチック容器の水平リサイクル実現に向けた取り組みをさらに進めていく考えだ。

パウダーファンデーションの中皿(イメージ)

花王は2021年6月より、化粧品ブランド「TWANY(トワニー)」のスキンケア容器からケミカルリサイクルPET素材の採用をスタートし、順次採用ブランドの拡大を進めてきた。また、JEPLAN社と協働し、店頭で回収したお客の使用済み化粧品プラスチックボトルを用いて、“ボトルからボトル”への水平リサイクルに向けた実証実験に取り組んでいる。

一方、パウダーファンデーションは従来、レフィルをコンパクトケースに繰り返し詰め替えて使用できるようになっており、レフィルには、商品の特長に応じて、バージンPET素材でできた中皿、もしくはアルミ素材の中皿を採用していた。

今回、バージンPET素材の中皿を、バージンPET素材と同等品質のケミカルリサイクルPET素材に、順次切り替えを実施。より環境に配慮したサステナブルなモノづくりを進める。

今後は、すでに取り組みを進めている化粧品プラスチックボトルと同様に、水平リサイクル実現に向けた取り組みもあわせて検討し、プラスチック循環社会の実現を目指す。

花王グループは、19年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan(キレイライフスタイルプラン)」を策定し、重点取り組みテーマの一つとして「ごみゼロ」を掲げているが、今回の取り組みはそれを推進する活動となる。これまでに展開しているさまざまなアプローチに加えて、日本におけるプラスチック包装容器への再生プラスチックの活用を本格化することで、プラスチック循環社会の実現を目指す。