ポーラ・オルビスホールディングス(HD)は4月14日、将来を見据えた経営強化を目的として、日本オラクル(東京都港区)の「Oracle Fusion Cloud Enterprise Resource Planning (ERP)」と、その製品群である「Oracle Fusion Cloud Enterprise Performance Management (EPM)」を導入したと発表した。企業の基盤となるマスター・データの共通化により、グループ共通会計プラットフォームを構築し、ガバナンスの強化および業務の効率化が実現する。

ポーラとオルビスを中核とし、幅広い消費者ニーズに対応するため、それぞれ異なるコンセプトと販売チャネル、価格帯、訴求性を持つ複数のブランドで事業ポートフォリオを構築しているポーラ・オルビスHDは、従来、財務および経理、経営管理の業務基盤として、オンプレミスの会計システムを運用してきた。このシステムは導入から約10年以上が経過していることから、市場やパンデミックによる外的環境変化への対応が難しくなっていたという。

今回、最新のデジタル・テクノロジーを取り入れた業務自動化やリモートワークなどのメリットをグループ経営に生かすことで、事業成長およびグループ価値向上を見据え、システム刷新を決定した。

複数のERPソリューションを比較検討した結果、クラウドネイティブの純粋なSaaSソリューションであること、新たな法的要件に対応するための機能など最新テクノロジーを迅速に採り入れられること、運用における負荷軽減が可能であるといった理由から、「Oracle Cloud ERP」を採用。また、競合他社と比較してシステムをシンプルに維持できること、ライセンスや保守コスト、人的費用などを含む、TCO(Total Cost of Ownership)を抑えられることも評価して、今回の導入に至った。

これにより、帳簿体系の最適化とマスター・データの一元化、販売・入金処理の統合を実現し、ガバナンス強化と業務効率を可能にする会計業務のデジタル・トランスフォーメーションを実現。今後は、この基盤をグループ全体で活用し、経営管理のさらなる精度向上やプロセス・組織体制の合理化・標準化や自動化を進めていく。また、サプライチェーン領域への拡大も視野に、さらに迅速な経営判断やグループ全体の最適化を目指す。