花王は11月17日、和歌山市とのSDGs(持続可能な開発目標)推進に関する連携協定の期間を1年追加すると発表した。花王は、昨年10月に和歌山市と、SDGs推進に関する連携協定を締結。同連携は、和歌山市のSDGsの推進と地域社会の持続的な発展に向けて、花王の幅広い事業領域とそれを支える研究技術による貢献を目指すもので、当初の連携期間は1年を予定していたが、このほど1年の継続が決定した。

同連携の具体的な活動は、①海をはじめとした豊かな自然環境の継承に関すること②暮らしやすい地域社会の実現に関すること③未来に向けた人材の育成に関すること――の三つ。

①では、海洋プラスチックごみの調査やリサイクルの推進、海洋環境保全に向けた活動に着手した。一例を挙げると、大阪湾に流出した海洋プラスチックごみが流れ着く和歌山市の友ヶ島で、大阪府立大学の千葉知世准教授と共に、海洋プラスチックごみの実態調査を開始した。

②では、子育てしやすい環境づくりをめざし、家事との向き合い方を見直すことを目的とした「おうちワクワクUPプロジェクト」のワークショップを、子育て中の家族14組に対し実施した。家事・育児の意識改革のきっかけとなるツール(アンケートと結果チャート)を、家事シェア研究家・三木智有氏の協力のもと作成。和歌山市からスタートし、全国での活用を目指す。

③では、海洋プラスチックごみ問題について考え、解決に取り組むプログラムを、和歌山大学教育学部附属小学校と共同展開などを行った。こうした活動をもとに、「プラスチックごみ・海洋プラスチックごみという、身近にある問題や地域の課題を発見し、主体的に関わり、課題を解決する力(社会に参画する力)を育む」プログラムを開発。全国への教材提供を目指している。