アイスタイルは、「非対面接客」に関するさまざまなソリューションを提供し、新型コロナウィルスの感染拡大によって化粧品ブランドおよび美容部員が抱えている課題を解決するプロジェクト「オンライン美容部員プロジェクト」を開始すると発表した。

現在、緊急事態宣言の解除以降徐々に日常が戻りつつあるものの、タッチアップの自粛などの制限は続いており、完全に平常を取り戻すにはまだ時間がかかることが予想される。また、今回一気に進んだ生活者のデジタルシフトの流れは、コロナ後のニューノーマルにおいても不可逆であると予想される。

こうした状況おいて、現在生活者・美容部員・化粧品ブランドは生活者は店頭での、美容部員への相談機会の喪失、美容部員は雇用不安、化粧品ブランドは収益低下というそれぞれの課題を抱えている。

これらを解決する手段の一つが、オンラインカウンセリングをはじめとした「非対面接客」だ。すでにいくつかの化粧品ブランドでは、「非対面接客」の導入や、導入に向けたテストが行われており、そうした中①オウンドECでの接客における集客②非対面接客にたけた人材の圧倒的不足(美容部員)③カウンセリングや顧客データ管理などに用いるツールの不在――といった課題が顕在化している。

そこで今後アイスタイルは、自社の美容領域に関する知見や@cosmeのプラットフォーム、人材育成のノウハウなどを活用し、これらの課題を解決することで、化粧品ブランドや美容部員を支援していく。

プロジェクトでは、大きく四つのことに取り組む。一つが、オンライン美容部員の委託・育成サポートだ。アイスタイルグループの中で、美容領域に特化した人材事業を行うアイスタイルキャリアを中心に、各ブランドが抱える美容部員のオンライン上でのコミュニケーション設計を支援し、デジタルマインドの高い美容部員の育成する「活動支援サービス」と、オフラインとオンラインにおける接客両面のスキルを持つ美容部員でチーム構成する「店舗運営代行サービス」を提供する。

二つ目が、店頭スタッフのデジタル接客を可能にするサービス「STAFF START」(スタッフスタート)の化粧品ブランドへの導入の独占サポート。店舗スタッフがSTAFF STARTアプリを通じて発信するコンテンツで、EC売り上げを推進、アプリ経由での売り上げの可視化を実現するサービス「STAFF START」と提携し、その独占窓口となることを通じて、実店舗で働くブランドの美容部員の情報発信による、ブランド公式EC活性および店舗とECの融合をサポートする。

三つ目が、共通カウンセリング台帳のオンライン活用だ。非対面接客が進むにつれ、「オン/オフラインを横断した形での顧客データの管理」や「カウンセリング内容の管理共有に向けたツール」、「化粧品専門店/ドラッグストアを巻き込んだ形の非対面接客の実現」などが必要となるが、現状ではこれらの課題を総合的に解決するソリューションは存在しない。

こうした中、アイスタイルでは、すでに自社で運営するコスメセレクトショップ「@cosme TOKYO」および「@cosme STORE横浜ニュウマン」で導入している、店舗・ブランドを横断したオンラインのカウンセリング台帳「共通カウンセリング台帳」をこれらの課題に対する解決策として捉え、オンライン美容部員時代を見据えた機能の追加開発を進めていく。

最後が、オンライン美容部員研究所の立ち上げだ。オンライン美容部員サービスに関する事例研究、生活者意識の把握等のユーザー調査、レポートや記事執筆、イベント開催などを通して、非対面接客に関する情報提供を行う「オンライン美容部員研究所」を立ち上げ、運営していく。

アイスタイルグループはブランドとユーザーをつなぐサービスを提供しながら、生活者中心の市場の創造していく考えだ。