ユニ・チャームは、大人用紙おむつ市場をけん引するメーカーとして本人とその介護者をサポートするためのさまざまな商品やサービスを提供している。そこで同社では、普段介護に携わる人へ、3大介護(食事・入浴・排泄)に関する生活動作に関する意識調査を149名に5年間継続してアンケート調査を行っており、今回はそのアンケート結果の一部を発表した。

まず「ご本人ができることはできるだけ自分で行ってもらいたいと思いますか」という質問に対しては、回答者である介護者の8割以上が、「できるだけ自立した生活をしてほしい」と望んでおり、毎年その思いは高まっていることがわかった。

また本人が日常生活の中でできる動作のレベルは、5年間で最も「歩行機能」が低下しやすかった。本人の外出頻度とADL(日常生活動作)の相関に関する調査では、外出頻度が週に3~4回の人は、ADL(日常生活動作)が維持されているが、外出頻度が週に1~2回程度になるとADLは低下傾向となることも判明。

さらに19年単年のみの調査だが、本人の歩く歩幅の広さと立位状態でのふらつきについて、以前と比べ歩幅が狭いと感じる人は85.5%、以前と比べバランスが悪くなったと感じる方は72.4%と大半を占めた。

これらの結果を受け、ユニ・チャームは介護者の8割以上ができるだけ自立した生活を送って欲しいと考えているが、継続的に外出を続けている要介護者は限られており、その一因として要介護者の加齢と共に足腰の筋力が弱まり、介護者が歩行の補助をすることに対して不安に感じることが挙げられると分析。これを受け同社では、従来の排泄自立支援だけではなく、生活を支える動作である“歩行”を通じた歩行自立支援の提案まで行う事で、生活全体の自立度を高めていく考えだ。