ドイツの化粧品市場は数年間、順調な成長をみせてきたが、2017年のプレステージ化粧品は欧州のなかでも最悪の状況だった。消費者の美容習慣の変化、それとマス製品の厳しい低価格攻勢が原因だ。フレグランスの売り上げはギフトセールが低迷して前年比6.1%減、メイクアップは7.1%減、フェイシャルスキンケアは5~10ユーロ程度の低価格製品に押されて4.9%ダウンという状況。18年も横ばいだった。こうした状況から脱却すべく、19年に入って化粧品ブランド各社は売り上げ拡大を目指して積極的な動きに転じた。
バイヤスドルフは、今年4月に医薬品会社のバイエルからサンケアブランドのコパトーンを5億5000万ドルで買収。コパトーンは1944年に米国で初のサンケアブランドとして発売され、カナダや中国にも販路を広げて2018年には2億1300万ドルを売り上げている。今回バイヤスドルフはコパトーンのクリーブランドの生産施設、450人の従業員、それと世界市場での販売権などすべてを取得。バイヤスドルフのステファン・ド・ローカーCEOは、「肌を健やかに保つスキンヘルスを当社の柱の事業にしたい」と語っている。バイヤスドルフの19年第1四半期の売り上げは1.2%増の16億ユーロ。オーガニック化粧品が6.7%も伸びたことがけん引役となった。
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