ファンケルは、筋肉から分泌されるホルモン「マイオカイン」に着目し、皮膚組織との相互作用について研究を行うなかで、「マイオカイン」が肌の弾力維持やコラーゲン産生に関わる可能性について解析し、結果を得たことを発表した。

真皮と筋肉の組織は肌の内部で密接に関係すると考えられているが、「マイオカイン」が皮膚機能に与える影響については今まであまり知られていなかったという。

同社が今回行った研究では、筋肉細胞を培養した「マイオカイン」を含む倍養液を用いて、真皮の構成成分である線維芽細胞を培養した。その結果、筋肉細胞中の「マイオカイン」の量が多いほど、線維芽細胞の増殖およびコラーゲン産生量が増加しており、顔の筋肉である表情筋から産生される「マイオカイン」が、細胞活性を高めてコラーゲンの産生を促進することにより、肌に弾力性を与えている可能性が予測された。

また、血行不良による筋肉のこりを想定し、筋肉が疲労して蓄積される乳酸を添加して「マイオカイン」量を測定したところ、乳酸の濃度が高いほど「マイオカイン」の分泌量が減少することが判明し、表情筋の動きのなさが肌の弾力低下に影響を及ぼす可能性があることも分かった。

本研究内容は、3月25~28日に開催される日本薬学会第138年会にて、生物系薬学26PA-pm279「C2C12細胞筋管由来マイオカインが皮膚線維芽細胞に与える影響解析」として一般ポスターを掲示し、発表する。