タイ発のウェルネス発想のフレグランスブランド「PAÑPURI(パンピューリ)」は8月28日、日本初の路面旗艦店「PAÑPURI 青山」を東京・南青山にオープンした。1階にフレグランスなどをそろえるリテールスペースを設け、オーダーメイドの調香体験を導入。10月31日には2階にウェルネススパを開設する予定だ。青山店を日本での本格展開を象徴する拠点に位置付け、年内には横浜、銀座、大阪にも出店する。ブランドの世界観を体験できる接点を広げ、日本市場での認知向上と事業拡大につなげる。

パンピューリ ジャパンの杉﨑洋代表取締役は「青山はファッションやビューティーに加え、新たなライフスタイルや価値観の発信地。日本ではまだブランドイメージが十分に浸透していない中、ここに来るお客さまにパンピューリの価値を伝えたい」と青山に路面旗艦店を開設した。人通りが多く、購入目的以外でも気軽に立ち寄れる立地を生かし、商品だけでなくブランドの認知を広げる「ブランドとの出会いの場」として機能させる考えだ。

青山店のコンセプトは「THE SANCTUARY OF BEGINNING(物語が始まる場所)」。1、2階で構成し、ブランドが掲げる「香りで自分を整える」という考え方を五感で体験できる空間に仕上げた。あえて店内の装飾を抑え、光と静けさを生かすことで、都市の日常から離れて自分自身と向き合える空間を目指した。杉﨑代表は「店内では五感すべてを通じてパンピューリを感じてもらいたい」と説明する。視覚では店舗空間、聴覚では店内音楽、味覚ではティーサービス、嗅覚ではブランドのDNAである香り、触覚ではハンドトリートメントを通じ、心身の調和を感じられる体験を提供する。

1階はフレグランスやボディケア、ハンドケア、ホームケア、スキンケアなどフルラインアップをそろえる。オープンに合わせ、ブランド初のアルコールフリー処方のオードパルファム10種(各10㍉㍑・1万1770円、各50㍉㍑・2万5300円)も展開する。一般的なオードパルファムで香りの拡散や持続を担うアルコールを使わず、香り立ちと持続性を両立。髪にも使える設計で、周囲に強く香らせず、自分の近くで香りを楽しみたい需要にも応える。また、青山店限定で、「サイアミーズウォーター シグネチャー キャンドル」(70㌘・1万1550円)の限定カラーを扱う。

オーダーメイドの調香体験も提供

オーダーメイドの調香体験も用意。25種類または40種類の素材から好みの香りを選び、エッセンシャルオイル(10㍉㍑・1万3750円~1万6830円)、ルームミスト(100㍉㍑・1万2870円~1万5620円)、ディフューザー(100㍉㍑・2万1890円~2万6180円)の3品から仕上がりを選べる。世界に一つだけの香りをつくるパーソナルな体験を通じ、ブランドとの接点を深める。

ギフトサービスも充実

ギフト需要にも対応し、テープを使わずに包む独自のラッピングを採用。パンピューリのロゴである孔雀の尾をイメージした紐をあしらうなど、細部にもブランドの世界観を落とし込んでいる。店内では音楽や季節ごとに変えるティーサービス、ベストセラーアイテムである「ミルクバス&ボディオイル」を使ったハンドトリートメントなども提供する。

2階は、タイで展開するスパのエッセンスを取り入れたウェルネススパを10月31日に開設する予定で、物販から調香、スパまでを一つの空間で提供する。

パンピューリは2003年にタイで誕生。フレグランスをはじめ、バス&ボディ、スキンケア、ホームフレグランスなどを展開する。ブランドの根底にあるのが、香りを単に身にまとうものではなく、心身を整えるウェルネスの一環として捉える考え方だ。ストレスケアや睡眠、マインドフルネスなどへの関心が高まる中、杉﨑代表は「人からどう見られるかだけではなく、自分自身と向き合い、自分を整えるためのものへと香りの役割は広がっている。『香りで自分を整える』という考え方こそが、われわれの哲学」と説明する。

中でも日本は、今後の成長を左右する重要市場と位置付ける。杉﨑代表は、日本の消費者は品質や香りに加え、店舗での体験を重視する傾向が強いと分析。「日本でブランドの価値をしっかり築くことが、アジア、そして世界へ向けた成長の力になる」と語る。

日本では今年3月、伊勢丹新宿本店に常設カウンターを開設し、売り上げは右肩上がりで推移。4月以降は京都や神戸でも期間限定店を展開してきた。フレグランスの構成比が上昇しており、「以前は雑貨のイメージが強かったが、ようやくフレグランスブランドとして徐々に認識されるようになってきた」と杉﨑代表は手応えを示す。

その認知をさらに広げるため、青山店を起点に店舗網を拡大する。9月にニュウマン横浜、その後GINZA SIX、11月にはグランフロント大阪への出店を予定する。さらに中期的には関西を含む主要都市への展開を視野に入れ、3年後をめどに主要都市でブランドの存在感を確立していく。

パンピューリは、コーセーが24年12月、ブランドを展開するタイのPURIの株式約80%を取得し、グループに迎えた。パンピューリをウェルネス領域を担う重要ブランドと位置付け、商品開発やサプライチェーン、海外拠点などグループの基盤を活用しながら、日本を含むアジア・グローバルでの成長を加速する。青山店は、その成長戦略を日本で具現化する中核拠点となる。