小林製薬の2025年12月期第3四半期業績は、売上高は前年同期比2.1%減の1120億3800万円、営業利益32.3%減の114億9500万円、経常利益27.9%減の129億3000万円と減収減益も、親会社株主に帰属する四半期純利益は27.4%増の68億900万円と大幅増益となった。

セグメントごとに見ると、国内事業は、今春発売した10品目の新製品が売上増加に貢献。また、訪日外国人数の増加に伴い、インバウンド需要も増加し、売上に貢献した。24年3月22日の紅麹関連製品の自主回収発表以降、全製品で広告を停止し、特にヘルスケアはその影響が大きく減収が続いていたが、25年4月以降はその影響も一巡し、第2四半期から増収に転じた。加えて25年7月からはテレビ広告を本格的に再開したこともあり、第3四半期はさらに増収。日用品も同様に広告再開の影響と、引き続き製品値上げや新製品の貢献もあり、増収となった。一方、通販においては、定期購入の契約数が減少した影響で減収。なお、自社通販サイトおよびコールセンターを通じた製品の販売は、今期をもって終了する。

これらの結果、売上高は2.3%減の843億7400万円、セグメント利益は27.0%減の116億8200万円となった。

国内事業のうち、カテゴリー別の売り上げは、ヘルスケアが3.8%減の414億5600万円、日用品が2.6%増の361億8800万円、カイロが14.9%増の15億6900万円、通販が38.7%減の22億6300万円だった。

国際事業は、米国では25年1~3月は24年の同時期と比べ、気温低下によりカイロが伸長したことと、25年末の冬に向けたカイロの送品が好調だった影響により増収となった。中国では、例年に比べて発熱患者が減少したことにより、熱さまシート需要が低迷し、減収。東南アジアは、前年の各種感染症流行の反動で熱さまシート需要が低迷したことにより減収となった。これらにより、売上高は2.3%減の312億400万円、セグメント利益は前年同期の7億6000万円の赤字から2億600万円へと欠損幅が縮小した。

国際事業のうち、地域別の売り上げは米国が12.4%増の154億8000万円、中国が19.1%減の60億9100万円、東南アジアが10.1%減の56億4500万円、その他が5.2%減の29億400万円となった。

25年12月期通期業績は、売上高3.3%増の1710億円、営業利益43.7%減の140億円、経常利益43.0%減の153億円、親会社株主に帰属する当期純利益4.3%増の105億円と期初予想から変更はない。