The Foundersは、韓国成均館大学化学工学部のキム・ジンヨン教授との共同研究により、標的志向型リポソーム技術「MELA-LIPO 4™」を開発した。同技術は、一般的なリポソームと比較してメラノサイトに特異的に美容成分AA-2G(アスコルビルグルコシド、グルタチオン、システイン、α-リポ酸)を届けることが可能であり、肌印象を整えたい人に寄り添い、透明感のある印象をサポートする技術として期待されている。
近年、紫外線や外的ストレス、さらにはライフスタイルの変化などにより、肌が抱える悩みはますます多様化している。中でも透明感のある明るい肌を求める意識が高まっており、美白ケアに対する関心と期待は年々強まっている。こうしたニーズに応えるためには、肌にやさしくありながらも、確かな機能性を備えた先進的な技術の開発が求められる。同社はその課題に真摯に向き合い、美白成分が肌にどのように届き、どのように作用するのかという“根本的なメカニズム”に着目した、新たなデリバリー技術の研究に着手した。
その結果、韓国・成均館大学との共同研究を通じて、メラニン生成や色素沈着といった美白課題の根源にアプローチし、肌への負担を最小限に抑えながらも、的確に効果を発揮する新技術「MELA-LIPO4™」が誕生した。同技術は、必要な成分を必要な場所に届けることを可能にする“ターゲティング設計”を採用した、まったく新しいアプローチであり、肌本来の透明感を引き出す革新的な美白技術として期待されている。
MELA-LIPO4™は、γ-MSHやLK-514といったペプチドを活用し、肌への親和性を高めた独自のリポソーム構造を採用している。これらのペプチドは、肌の角層環境に着目し、健やかな肌を維持することを目的に設計された成分であり、MC1R(メラノコルチン1受容体)との相互作用やα-MSH(α-メラノサイト刺激ホルモン)とのバランスを考慮した研究成果に基づいている。さらに、リポソーム表面にチオール基を導入し、チオール‐マレイミド反応を応用することで、ペプチドの安定的な担持を実現。この独自技術により、角層への浸透性と成分安定性の両立を目指し、乾燥や外的ストレスにゆらぎにくい肌環境をサポートすることが期待されている。
今回の研究により、MELA-LIPO 4™は標的細胞への美容有効成分AA-2G(アスコルビルグルコシド、グルタチオン、システイン、α-リポ酸)の伝達効率に優れていることが明らかになった。
まず、B16F0細胞におけるメラニン生成量の変化を観察した結果、メラニン生成量が有意に減少していることを確認した。さらに、メラニン生成に関与するチロシナーゼ活性を測定したところ、チロシナーゼ活性が有意に低下していることが示された。加えて、美白関連遺伝子であるTYRおよびTRP1の発現量を測定した結果、いずれも有意に減少していることが確認された。
これらの結果から、MELA-LIPO 4™は標的細胞において美容有効成分AA-2G(アスコルビルグルコシド、グルタチオン、システイン、α-リポ酸)を効率的に伝達し、メラニン生成を抑制する効果が期待できることが示された。
MELA-LIPO 4™は、メラノサイトを標的とした独自のペプチド技術とスマートリポソーム技術を融合させた製法により開発されている。まず、ターゲットとなるペプチド(γ-MSH、LK-514)を合成し、有用成分とともに混合。次に、ペプチドを安定的に結合させたリポソームを形成することで、標的細胞への効率的な成分デリバリーが可能な構造を構築している。このプロセスを経て完成した「メラノサイト・スマート・リポソーム」は、肌への親和性と成分の安定性を両立し、美白および抗酸化効果を最大限に引き出すことが期待されている。
アスコルビルグルコシド(AA-2G)は、ビタミンCにグルコースを結合させることで安定性を高めた誘導体だ。肌に取り込まれると酵素の働きによりビタミンCへ変換され、健やかな肌印象の維持に役立つ成分として知られている。また、紫外線などの外的環境要因に着目したケアや、年齢とともに変化しやすい肌のハリ・弾力へのサポートとして活用が期待されている。
今回の研究では、2mmol/L(約0.068%、680ppm)のAA-2Gを用いた試験において、メラニン生成に関連する指標において低下傾向が確認された。比較対照としたアスコルビン酸(AA)は初期段階では高い活性を示した一方で、時間経過とともに効果が低下する傾向が見られた。一方で、AA-2Gは構造的に安定していることから、長期的な作用持続性が示唆された。このことから、AA-2Gは持続的な肌の透明感維持に寄与し、肌を明るく澄んだ印象へと導く働きが期待される。
Active Glutathione(アクティブ・グルタチオン)は、システイン・グルタミン酸・グリシンの3種のアミノ酸から構成される低分子ペプチドで、体内に広く存在する重要な成分だ。このペプチドは、フリーラジカルや過酸化物などの外的要因に起因する酸化ストレスに着目した研究で知られており、細胞環境のバランス維持をサポートする役割が期待されている。さらに、タンパク質との結合(グルタチオン化)を通じて構造の安定性を保つ作用が報告されており、細胞本来の健やかさを支える新たな可能性が報告されている。
Active Cysteine(アクティブ・システイン)は、体内に自然に存在する硫黄(S)を含むアミノ酸「システイン(Cysteine)」を有効活用した成分だ。システインは、抗酸化機能を担うグルタチオンの前駆体として知られ、酸化ストレスに着目した研究において重要な役割を果たしてきた。また、メラニン生成に関連するチロシナーゼ(TYR)酵素活性への作用や、メラニン前駆体であるL-DOPAの酸化抑制など、肌印象に関わる複数のメカニズムでの有用性が報告されている。
さらに、α-MSH(メラノサイト刺激ホルモン)が存在する条件下においてメラニン合成量が減少する傾向が確認された。このことから、Active Cysteineは肌の酸化ダメージ対策とクリアな印象のサポートに有用な成分として高く評価されている。
Active Thioctic acid(アクティブ・チオクト酸)は、α-リポ酸とも呼ばれ、水溶性と脂溶性の両特性を兼ね備えた抗酸化成分だ。この特性により、角層への親和性が高く、肌環境に着目したスキンケア分野で注目されている。さらに、外的ストレスや酸化に着目した研究では、肌のハリや弾力に関わる要素へのサポートが示唆されている。
臨床試験においても、5%α-リポ酸クリームを塗布したグループでは、シワや色素沈着、弾力など17項目において、比較群より改善傾向が確認された(P=0.0332)。このことから、Active Thioctic acidが、肌の年齢印象ケアや弾力性サポートを目指したスキンケアへの応用可能性を示唆している。
同社は、今回開発した「MELA-LIPO 4™」技術を基盤として、スキンケア成分およびデリバリー技術の研究開発を一層加速させていく。特に、肌の透明感・ハリ・弾力など、年齢や環境変化に影響を受けやすい肌悩みに着目した新規成分の探索と実証を進め、科学的根拠に基づいたスキンケアソリューションの開発を強化していく計画だ。今後も、科学的エビデンスに裏打ちされた革新的な商品開発を通じて、お客の多様な肌ニーズに応えるブランドとして進化を続けていくとしている。