高級化粧品ブランドは、訪日客の支持が根強い。2025年4月の訪日客数は390万人超で、単月では過去最高値。それなのに同月の百貨店免税売上高は前年同月比26.7%減の439億円で、2カ月連続のマイナスという踊り場を迎えている。ところが、化粧品カテゴリーは38カ月連続の増収。東京地区に限れば44カ月連続で売り上げを伸ばしている(日本百貨店協会)。インバウンド重視の大都市圏の百貨店にとって、化粧品は大切な商材になり始めている。
4月に百貨店で買い物をした訪日客数は、同3.1%増の52万1000人で、こちらも過去最高記録だった。客は増えるのに売り上げが伸びない。その要因は、美術、宝飾、貴金属などの高額品離れが顕著だからだ。25年は、1ドル160円超を付けた24年から円高基調に転じ、1ドル140円台で推移。10〜20円の差は大きく、訪日客は割安感を得られない。急激な円安前の購買行動に戻ったとも言える。もう一つの要因は、世界中の生活者に先行き不安が広がっていることだ。例えば、米国トランプ大統領の予想外の言動は、政情不安や経済混乱を招き、人々の消費マインドにマイナス影響を与えている。訪日客に節約志向が広がっても不思議はない。
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