ジェトロが公表した中国の2024年1〜9月のGDP実質成長率は前年同期比4.8%で、中国政府の目標を下回った(図表1)。経済産業省が公表した資料によると、20年比で8.4%伸びていた21年と比べると、成長率が鈍化したのが分かる。21年のGDPが伸びたのは中国政府がコロナ感染の広がった都市の活動だけに細かく制限をかけて経済への影響を少なくしたからだ。人流が増加することで、消費財やサービス消費に動きが戻り、個人消費が伸びた。ただ、これは政府による景気対策の結果であり、その後のGDP実質成長率は22年が3.0%増、23年が5.2%増と苦境が続いている。不動産バブルへの懸念による不況も長引き、24年現在も消費者の節約志向、雇用環境の悪化などの悪影響を及ぼして個人消費にブレーキをかけている。

実際、「消費者信頼感指数」図表2)を見ると、1985年を基準値100とした経年で、17年下半期から約5年の間120付近の数値を保ってきたが、22年4月を境に80台へと急落。2019年3月に124.1だった数値は23年12月には87.6まで落ちている。それ以来24年9月現在まで、90台に上がることはあるが100は超えていない。測定値が高ければ消費者の経済に関する楽観的な見方が強く、低ければ悲観的な見方が強いことを意味するから、ここ数年間は消費者のマインドは冷え込み続けている。
中国の消費者マインドを電話によるアンケート調査を通じて指数化した景気指標

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