マンダムは2023年11月30日に大阪本社で記者懇談会を開催した。冒頭、西村健社長は、主要4ブランドの状況を説明。ギャツビーは夏シーズン品が好調で計画通りに推移、ルシードエルは前年並みの実績、ルシードとビフェスタは前年を上回る数字を残している。ギャツビーは大型の新商品のメタラバーを計画に織り込んでいたが、やや苦戦中。マス広告に寄ったマーケティング戦略を見直し、ターゲット層に響くコミュニケーションを行い、攻勢を強めるという。

一方、海外事業は、円安が進んだこともあり、グループ全体の海外売り上げ構成比50%超が現実味を帯びてきた。好調なのは東南アジア。特にシルキーガールは、マレーシアを軸にデジタルコミュニケーションによるファンづくりが進んでおり、著しい成長を見せているという。

一方、記者懇談会の後には、24年1月29日に発売する新オーガニックコスメブランド「aono(アオノ)」を披露した。ブランド開発担当者の小黒卓人氏は、同年代の30代前後の男性のインサイトを深く考察し、ブランドコンセプトや商品開発に臨んだという。「30代の男性は今までとは何かが違う心と身体の変化を実感し始めています。自然の中でリセット&チャージを行い、一歩前に踏み出す前向きな気持ちを整えてもらいたい」と説明した。

マンダムによると、男性はインナードライ肌の状態が多いという。特に30代になると、肌ダメージの蓄積による肌トラブルが増加。乾燥の悩みが顕在化するのに、表面がベタつき、テカリなどが発生。見た目の印象に悩む男性は増える傾向にある。

「aono」の由来は、青く茂る草木を意味する大和言葉の「青野」。ブランドメッセージは「肌に自然の叡智を」で、100%自然由来の原料を使ったナチュラルバイセルを採用。マンダム独自のスキンケア技術を生かして、男性特有の肌ダメージに着目し厳選した3種の自然由来発酵エキス(アスペルギルス培養物〈整肌〉、加水分解エンドウタンパク〈保湿〉、シュードアルテロモナス発酵エキス〈保湿〉)で角層内部をうるおしていく。

aonoは自社生産。技術と品質は競合との差別化に役立つ

商品構成は、フェイスクレンザー(100グラム・3300円)、エッセンスローション(100ミリリットル・3960円)、モイスチャライジングクリーム(45グラム・5500円)の3種。約2週間分のトライアルセットは1800円。販路は直ECのみでスタートする。

「aono」はカテゴリー、価格、販路ともに、マンダムにとって新しいチャレンジと言える。国内だけでなく、海外も見据え、日本のメンズコスメの先駆者が動き出す。★

月刊『国際商業』2024年02月号掲載