今年も中国化粧品市場が盛り上がる時期がやってきた。11月11日の「独身の日(W11)」は、世界中の企業が販促費を大規模投下するビッグセールだ。昨今の国潮ブームに乗って、ローカルブランドの台頭が著しいが、その中でも注目株はPROYA Cosmetics(珀莱雅化妆品股份有限公司、以下PROYA)である。2022年W11のGMV(流通総額)は、Tmall、JD、Douyin(中国版TikTok)の主要プラットフォームにおいて、国産コスメブランドでトップ。TmallとDouyinは前年比120%増、JDは110%増と躍進を遂げた。また、同社傘下で、日本発のヘアケアブランド「Off & Relax」は21年に中国上陸。22年、W11の売り上げは、Tmall Global(越境EC)で2000万元(1元=20円、4億円)。Tmall Globalのヘアケアカテゴリーでトップ3にランクインし、潜在成長力を見せつけた格好だ。PROYAは06年に浙江省で創業。17年に上場を果たした。23年上期の売上高は前年同期比35%増の35億4500万元(約709億円)、純利益は同65%増の4億9000万元(98億円)と成長に衰えは見えない。同社の競争力の源と今後の目標について、共同創業者兼CEOの方 玉友(Fang Yuyou)氏に話を聞いた。

ブランド、商品は我慢強くないと育たない

――PROYAの成長が加速しています。この強さは、どこから生まれるのでしょうか。

 私は創業時から研究開発を重視してきました。特にグローバル原料メーカーや海外の化粧品技術からは学ぶべき点が多く、効能効果のある原料を自社商品に組み込んでいます。同じ価格帯のグローバルメーカーの商品と比べても、遜色のない品質と効能効果があると自負しており、競合のローカルブランドとも大きな差があると思います。主力商品の販売価格は、200~500元(4000~1万円)で、この品質と効能効果を考えるとコストパフォーマンスが良い。コスパはグローバルブランドに対抗する大きな武器になっていますね。

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