第一三共ヘルスケアは、2023年3月にベトナムで開いた美白化粧品ブランド「トランシーノ」発表会で新商品と模倣品を同時に展示した。これは日本国内では聞いたことがない珍しい取り組みで、正規品と模倣品は中身も見た目も違うことを明瞭に伝えたという。
同社の狙いは、模倣品の駆逐と市場開拓にある。トランシーノに限らないが、人気の化粧品ブランドは模倣品が絶えない。2007年発売のトランシーノは製薬会社/薬品メーカー由来の美白ブランドとして国内外で人気が爆発。特に美白ニーズが高いアジア圏に知名度が広がり、インバウンド最盛期は爆買いの対象になった。当然、中国発の模倣品が増えたが、現地当局の規制強化により下火になった。だが、14年にベトナムで模倣品が確認され、現地市場管理局等との連携により駆逐に成功したものの、17年頃に再発。この時はベトナム以外で確認されたのだが、元をたどるとベトナム人が持ち込んだものだったという。つまり、中国の規制強化に伴い模倣品の製造拠点がベトナムに移り始めたということだ。
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