シートマスクからスリーピングマスクまで、フェイスマスクは、何段階ものステップを踏まずに素早く肌に栄養を補給できる魅力的なソリューションです。フェイスマスクは時短という利点がありつつも、保湿やブライトニングなどの肌メンテナンスの訴求に重点を置き続けています。

しかしながら、ライフスタイルの変化に伴うスキンケアへのニーズが高まっている現在、美意識が肌の健康そのものへと大きくシフトしている消費者に響くような、新しい訴求がフェイスマスクに求められています。

ニキビなどの肌荒れへの対応

ミンテルがインドで行った 調査 によると、フェイスマスクユーザーにとって最も重要なスキンケア効果は依然として「健康的な輝き」(45%)であることがわかりました。同時に、これらのユーザーは、フェイスマスク非使用者に比べ「ニキビやくすみの改善」(それぞれ25%)を期待できるスキンケアに対して明らかな関心を示しているとともに、「肌のバリア機能の強化」(21%)も上位に挙がっています。 ブランドは、こうした肌のための効果を追求し、シカ、ティーツリーオイル、サリチル酸、オーツ麦など、肌悩みのヒーローとして世界的にトレンドとなっている成分を探ることができるでしょう。

例えば、「Puca ピュア & ケア ティーツリーオイル&サリチル酸 アンチインピュアシートマスク」(デンマーク)は、肌を乾燥させずに、肌をきれいにし、肌トラブルを軽減、さらにシミやニキビに働きかけるとうたっています。

出典: Mintel GNPD

 

利便性という点で差別化を図る

フェイシャルマスクユーザーの3分の1以上(36%)が、フェイシャルスキンケア製品を購入する際、外出先での使用に適しているかどうかを重要視しており、シートマスクはその利便性が最大の利点であると回答しています。クレイマスクやその他のDIYタイプのマスクなどの他の様式と比較して、混ぜたり、塗るといった手間なく、パッケージから出すだけですぐに使用できます。ミンテルが2017年ビューティ&パーソナルケアトレンドとして挙げたBack to Basics(基礎に立ち返る)の項目では、消費者がスキンケアの方法を再定義し、出張や自宅以外で過ごすライフスタイルにも適合させることを強調しています。

Sephoraが発売した「1ミニッツ フェイスマスク」は、携帯に便利なサイズで、時間がないときに最適なデイリースキンケア製品であることをうたっています。消費者がパンデミック前のライフスタイルに戻りつつある今、利便性という要素はフェイスマスクの重要なポイントになり得ます。

出典: Sephora

検証可能な訴求とサステナビリティをアピール

フェイスマスクユーザーにとって、信頼できる認証を取得していること、先進の技術で作られていること、サイエンスに基づいた成分を含んでいることは、フェイシャルスキンケア製品の購入を後押しする重要な要因です。Garnierの「2Xパワーマスク」(シンガポール)は、AHAとチョウセンニンジン(ジンセン)を主要成分とし、科学の力を注ぎ込み、たったの2ステップで、力強く、ふっくらとした、瞬時に明るい肌を15分でかなえることが臨床的に証明されていることを訴求しています。

出典: Mintel GNPD

また、インドの消費者の間では、安全で環境に優しいとされているクリーンビューティーのトレンドがますます広まっています。また、トラブルの多い肌や敏感肌の消費者は、成分の安全性や有効性を重視する傾向があり、合成化学物質や有害物質を含まない天然成分やオーガニック成分、高度な技術で作られた成分を好む傾向があります。

ミンテルの考察

インドではスキンケアカテゴリーが成長し続けているため、消費者を圧倒するほど多種多様な製品が登場しています。そのため、ブランドは肌の全体的な状態を改善させるというターゲットを絞ったスキンケアに重点を置くことで、フェイスマスクなどのケア製品が他の製品に比べて目立つよう努力をすることが重要です。フェイスマスクは、その利便性を生かしてスキンケア習慣を簡素化することができるでしょう。

 

消費者が「何を」「なぜ」求めているかを探るエキスパート

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月刊『国際商業』2023年05月号掲載