花王とキリンは、和歌山県立医科大学が主宰し、NPO法人ヘルスプロモーション研究センターが取りまとめているコホート研究「わかやまヘルスプロモーションスタディ」に11月から参画し、内臓脂肪と免疫の司令塔(pDC)などの活性について、その関連を調査する研究を共同で実施する。

肥満は、世界保健機関(WHO)によって「異常あるいは過度の脂肪の蓄積により健康リスクが高まった状態」と定義されており、慢性疾患のリスク上昇につながる。肥満が健康にもたらす影響については、世界各国で研究が進められているが、近年、肥満はウイルス感染症の重症化につながるなど、肥満と免疫の関連性が注目されている。

同研究は、花王が生活習慣病の根底にある内臓脂肪蓄積を改善するために構築してきた研究力と、キリンが35年以上続けてきた免疫領域での研究力を掛け合わせることで、内臓脂肪とpDC活性の関連の解明をめざすもの。11年から和歌山県在住の方を対象に行われている「わかやまヘルスプロモーションスタディ」の追加研究として実施。11月に和歌山県にて、40~55歳の住民を対象とした特定健診を実施し、花王が生活習慣や内臓脂肪量のデータを、キリンが血液中のpDCを含む樹状細胞の活性に関するデータを採取。それらのデータを相互に共有し、内臓脂肪とpDC活性の関わりを共同で研究・解析する。

花王とキリンは、HPRCの当該研究を通して内臓脂肪量とpDC活性の関連を明らかにすることで、将来的に、お客の健康リスク低減をめざした取り組みを進める考えだ。