花王株式会社の子会社である花王インダストリアル(タイランド)と武田薬品工業株式会社の子会社であるタイ武田は10月28日、タイ王国で最も深刻な社会問題であるデング熱感染症について、「タイ・デング熱感染症予防および対策に関する覚書」を締結した。これは、両社が民間企業として初めてタイの機関と連携し、かつ長期的に実施する協力体制となる。
今回の覚書締結により、より広いコミュニティを活用することが可能となり、両社は支援をさらに進める。この協力体制により、バンコク都全50地区をカバーすることができるようになり、両社はさらにサポートする地域を全国に拡大することを目指す。覚書締結のために実施された調印式には、梨田和也在タイ日本国大使とChadchart Sittipuntバンコク都知事が出席した。
バンコク都知事のChadchart Sittipunt氏は「2022年の9カ月間だけでもバンコク都におけるデング熱感染症患者数は3,000名以上が確認されており、不幸なことに亡くなられた方もおられる。バンコク都は、タイで最もデング熱感染者が多い地域の一つとなっている。両社との連携による啓発活動や、バンコク都全地域における効果的なキャンペーン展開に期待している」などと述べた。
花王インダストリアル(タイラインド)の清水祐二社長は、「デング熱感染症は蚊が媒介する感染症で、タイや東南アジア諸国では、長年にわたって大きな社会問題となっている。 花王は、デング熱感染症に関する啓発活動を含む、未来のいのちを蚊から守るための『GUARD OUR FUTURE』プロジェクトを昨年より正式に開始した。花王インダストリアル(タイランド)とタイ武田は、バンコク都庁の強力な支援を受けて、学校でデング熱感染症の教育活動を展開するなど、共同の取り組み活動を緊密に進めてきた。我々は、子どもたちの未来をデング熱感染症の脅威から守るという共通の目的と目標を持って協力を続けていく。タイの人々のために、企業、官民、国の枠を超えてチームとして協力できることを本当に嬉しく誇りに思う」と語った。
タイ武田のジェネラルマネジャーであるPeter Streibl氏は、「デング熱感染症は、軽度から重篤な状態までさまざまな症状があるが、時に重症化し、生命を脅かすこともある。花王インダストリアル(タイランド)とのパートナーシップは、タイにおけるデング熱感染症の予防および管理によりよい影響を与えることが出来るものと考えている。今回の締結は、デング熱感染症から数百万人の命を守るために、バンコク都やその他の地域において実施されている取り組みをサポートするものとなる」などと述べた。