花王は、同社独自の技術を応用した蚊よけセラム「ビオレガード モスブロックセラム」(2種・各50グラム・69タイバーツ〈約260円〉)を6月、タイで発売したことを明らかにした。これに伴い、蚊から未来の命を守るグローバルプロジェクト「#GUARD OUR FUTURE」を正式に発足。その第一弾として、蚊による感染症・デング熱被害削減の取り組みを本格的に進めていく。
プロジェクトではタイ、ひいては東南アジアを中心とした地域において、デング熱に関する啓発活動や実証実験、研究活動などを包括的に推進し、肌を守ることで未来の命を守り、社会に貢献していく考えだ。
蚊が媒介する感染症の一つであるデング熱は、東南アジア諸国などにおいて長年の社会問題であり、温暖化の影響で世界に広がりつつある。
一方で、花王は、人々の暮らしを蚊から守る独自の研究を進めてきた。蚊が肌に降り立つ挙動に着目し、界面での濡れ現象を利用することで、蚊の吸血から身を守る技術を開発。これは従来の忌避剤(揮発性有効成分DEETやイカリジンなど)とは異なる作用機序をもつ新たな技術だ。この技術を応用し、ボディローションのような軽い使い心地でべたつかない製品「ビオレガード モスブロックセラム」を開発した。
ビオレガード モスブロックセラム
花王グループは、2019年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定。また21年からは、「未来のいのちを守る~Sustainability as the only path」をビジョンに掲げた中期経営計画「K25」をスタートしている。
「#GUARD OUR FUTURE」プロジェクトは、その「未来のいのちを守る」具体的な取り組みの第一弾。タイでの取り組みを皮切りに、将来的にはプロジェクトの活動を、蚊が媒介する感染症に悩む他のアジア地域へも拡大していく。
ビオレブランドは、肌を「人と人」「人と社会」をつなぐ『ヒューマン・インターフェース』ととらえ、今後もより幅広いカテゴリでの商品を提供していき、さらに商品およびプロジェクトを通して、特に困っている人々を助ける新たなビジネスモデルを構築していく。
花王は今後も、経営にESGの視点を導入し、事業の発展と、消費者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざし、パーパスである「豊かな共生世界の実現」に向けて取り組んでいく。