マンダムが2021年3月期決算を発表した。売上高は前年比22.6%減の623億1000万円、営業利益がマイナス7億9300万円、経常利益がマイナス2億7300万円、当期純利益が前年比80.7%減の8億6000万円。大幅な減収によって、40年振りの営業損失となった。

減収による粗利額の減少が大きかったことに加え、生産効率が低下し、原価が上昇したことも減益の要因となった。

国内売上高は同15.9%減の388億4700万円、インドネシアが同32.0%減の121億200万円、海外その他が同30.6%減の123億6000万円と、いずれも大幅な減収となった。

事業別売上高は、男性女性ともに減収。男性事業は、主力ブランドであるギャツビーが苦戦し、同20.0%減の378億8900万円。国内市場において、ギャツビーは、夏の天候不順が大きく影響し、夏シーズン品が苦戦。ペーパー商材の競合環境も厳しくなる中、フェイシャルペーパー、ボディペーパーの全面リニューアルを実施。新ブランドアンバサダーに佐藤健を起用し、ブランドイメージの刷新を図った。ルシードからはシワ改善、シミ改善のクリームを発売し、スキンケアが好調だった。インドネシアでは、コロナ収束後の売り上げ挽回を狙い、「スプレーポマード」「テクスチャライジングクレイ」を発売した。

女性事業はビフェスタ苦戦で同27.7%減の187億8300万円。国内では、ビフェスタの代表アイテムであるクレンジング製品が外出自粛の影響を受けて需要減少。2月からは本田翼をイメージキャラクターに起用し、「ミセラークレンジングウォーター」の拡販を図った。一方、アウトバストリートメントシリーズが好調だったルシードエルは前年より売り上げを伸ばした。特に、アルガンオイルトリートメントはコロナ禍においても2桁以上の実績伸長で、ヘアオイルカテゴリーにおいても市場シェア2位を獲得した。インドネシアにおいては、PIXYが苦戦。しかし、リキッドファンデーション「Stay Last Serum Foundation」を20年7月に発売。生活者の衛生意識の高まりに対応して、消毒・除菌効果のあるハンドケア商品2品を同年8月に発売した。

その他事業は同22.6%減の66億3700万円となった。

22年3月期からは、新たに第13次中期3カ年経営計画(MP-13)が始まる。サステナビリティ戦略を中核とした経営体系を目指し、マンダム独自のサステナブル経営を実施していく。22年3月期の通期業績予想は、売上高が前期比1.1%増の640億円、営業利益が9億5000万円、経常利益が12億2000万円、当期純利益が同16.3%減の7億2000万円を計画している。