ルイ・ヴィトンやクリスチャン・ディオールなどを筆頭に、75ものラグジュアリーブランドを抱えるフランス・パリをベースとする巨大コングロマリット「LVMH ― モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン」。そのポートフォリオは、化粧品・香水ばかりでなく、ファッション&革製品、ウォッチ&ジュエリー、ワイン&スピリッツなど多岐にわたり、ラグジュアリーブランドに関与する世界中のビジネスがその動きに注目する。1月26日、そのLVMHが2020年の決算を公表。コロナ禍で軒並み大打撃を受けたとされる消費財だが、高級ブランドの帝王は底力を見せた。

グループの総収益は447億ユーロと前年比で17%減(為替損益調整前)となったものの、コロナ禍で海外旅行が壊滅状態となり、傘下の小売店や製造拠点を数カ月にわたって閉鎖しなければならなかったという未曽有の危機の1年としては底堅さをみせた。営業利益は83億ユーロ(前年比28%減)、純利益は47億ユーロ(同34%減)と、かなりの減益とはいえ、赤字転落が相次ぐ世界の産業界では高級ブランド帝王グループの強さを見せつけたといえる。カテゴリー別ではファッション・革製品が特に下半期に二桁の伸びを記録。欧州はコロナ危機第2波で低迷したものの、米国やアジア、特に日本では力強いばん回を見せた。

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