軟包装パッケージ印刷に画期的な手段が登場した。福島印刷工業が2020年10月に立ち上げた軟包装パッケージ専門サイト「Pro-per(プロパー)」は、同社がデザインから配送まで一貫して対応する仕組みで、クライアントが求める数量と品質に応えつつ、小ロット・短納期で納品するのが強み。化粧品・トイレタリー業界は、SDGs(持続可能な開発目標)への対応が求められているが、「プロパー」は軟包装パッケージをオーダーメイドで製作することで、在庫ロス、廃棄ロスの削減に結び付く手段として注目が高まっている。事実、立ち上げから約3カ月で、問い合わせは100件を突破。しかも福島印刷工業が営業拠点を構える東京、大阪、宮城の周辺だけでなく、北は北海道から南は沖縄まで、全国津々浦々の企業が「プロパー」を活用。業種別には化粧品、トイレタリー、健康食品・サプリメントが多く、すでにサンプル送付から具体的な商談も始まっている。福島印刷工業マーケティング部の野村太一氏は「『プロパー』を広く知っていただき、全国のお客さまへ軟包装を提供したい」と意気込んでいる。

福島印刷工業の「プロパー」が注目されるのは、軟包装パッケージ印刷の弱点を克服しているからだ。通常、軟包装パッケージに使用するグラビア印刷は、大ロットでの印刷に適している。だからメーカー側は、化粧品サンプルに適したミニパウチや、衣料用洗剤や柔軟剤の詰め替え用に使うスパウトパウチなどを大量発注しなくてはならなかった。その点、「プロパー」はデジタル印刷を活用することで従来の約10分の1の小ロットから発注ができる。例えば、北海道限定品や沖縄限定品など、地域を絞った販促施策に軟包装パッケージを活用することが容易になる。さらに、数を追うマスブランドではなく多種多様な価値観に対応するスモールマス戦略が時流になっているが、これも「プロパー」のメリットを享受できるカテゴリーになるだろう。

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