2020年の化粧品市場は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた。その中でTHREEは、国内基盤の強さを見せるとともに、ブランドのさらなる進化を見据え、時間も場所も選ばない新しいセルフケアのかたちを提案する「THREE SELFCARE RETREAT」を打ち出した。商品、売り方、プロモーションなど、全方位から体験価値に磨きをかけることで、ブランドの存在意義を高める考えだ。21年からの本格始動に向けて戦略構築に臨むACROの宮﨑稔章取締役執行役員副社長に話を聞いた。

顧客の心境の変化を捉え価値の伝え方を変える

――THREEの業績はいかがでしょうか。

宮﨑 化粧品市場と同じく、足元の状況は厳しいです。特に、インバウンドはそれほど売上比率が高くなかったとはいえ、影響を受けています。その一方で、国内顧客に限って言うと、緊急事態宣言に伴う休業が終わった後は客足が回復し、売上高は前年比90%強で推移しています。苦しい時期とはいえ、最低限の実績を残せていることに手応えはあります。

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