牛乳石鹼共進社とビームスのコラボレーションで、2019年に実施したイベント「銭湯のススメ。」が、銭湯とそこへ通う動機付けをデザインでつなぎ、衰退しつつある銭湯に社会が目を向けるきっかけをつくったとして、20年度グッドデザイン賞を受賞した。

古き良き日本の銭湯文化を広く発信すべく行われたイベント「銭湯のススメ。」では、各種コンテンツにイラストレーター・長場雄氏の描き下ろしを採用し、長場氏が牛乳石鹼をモチーフに描いた作品を銭湯絵師・田中みずき氏が「寿湯」の壁画に仕上げたほか、東京都内約550の銭湯を「銭湯のススメ。」オリジナル暖簾でジャックし、東京都浴場組合公認の銭湯情報誌を発行、都内銭湯を横断するスタンプラリーを実施した。

また、牛乳石鹼にとって初のコラボ商品となる「カウブランド橙箱」をはじめとしたグッズ開発も行い、新宿の店舗「ビームス ジャパン」のポップアップショップ等で販売した。

カウブランド橙箱

グッドデザイン賞審査員は、「銭湯とそこへ通う動機付けをうまくデザインでつなぎ、衰退しつつある銭湯に社会が目を向けるきっかけをつくった。銭湯内のデザインやイベント、巡回するしくみづくり、魅力的なグッズ開発など、若者の心をつかむためのコミュニケーションデザインも細部にわたり行き届いている。550もの銭湯を巻き込んだスケール感、著名なブランド同士がコラボレーションすることによる社会的な影響力もしっかり計算されている。銭湯の文化的な側面にも着目し、銭湯という存在を若者の価値観に合うように新しくデザインし直した点は大きい」とコメントし、評価した。