アイリスオーヤマは3月30日、新型コロナウイルスの感染拡大でマスクが手に入りにくい状況が続いていることから、東京都の関係団体である東京都人材支援事業団に50万枚のマスクを供給することを発表した。

今回の供給マスクは、同団体がマスクの寄付を検討するなか、東京都からの紹介を通じて対応するもので、都内社会福祉施設などに配布される予定だ。

また同社は31日、大連工場(中国・遼寧省)と蘇州工場(中国・江蘇省)に加え、宮城県角田工場の一部を改修してマスクの生産を行うことを明らかにした。稼働時期は6月を予定している。

同社は、これまで中国の大連工場と蘇州工場の2拠点において、24時間フル稼働でマスクを生産し、8000万枚/月を日本国内に供給してきた。しかし、国内では海外生産のリスク増加により、マスクの品不足が長期化している現実がある。

今回、日本国内の生産設備導入により、6000万枚/月のマスクを新たに生産でき、これにより日本国内へ1億4000万枚/月を供給できる体制となる予定だ。これまで中国1カ国に依存していた生産体制を分散することで、リードタイムを約2週間短縮できるため、安定供給体制の構築が実現する。

同社は、新型コロナウイルス感染拡大の早期終息に向けて、今後も日本国内におけるマスクの安定的な供給に貢献できるよう、行政や業界団体と連携を図りながら、必要な支援を行っていく考えを示している。

〈角田工場 マスク生産概要〉

所在地:宮城県角田市小坂上小坂1番

設備投資金額:約10億円

生産能力:6000万枚/月

生産アイテム:不織布マスク(プリーツマスク、学童用マスク)

稼働時期:2020年6月