ゲスト 鞍掛純一(彫刻家|写真右)
ファシリテーター 菊池麻衣子(「パトロンプロジェクト」主宰|写真左)

連載第8回の対談相手は、彫刻家の鞍掛純一氏だ。コラボ企業は、彫刻の魅力を取り込むことで、業績アップ、環境啓蒙(けいもう)などを実現。その始まりは、「大地の芸術祭 越後妻有(つまり)アートトリエンナーレ」での出会い。一期一会という言葉を大切にしている人だけが、活躍の場を広げられるのかもしれない。そう感じさせる対談だ。

菊池麻衣子(以下、菊池)日本大学芸術学部美術学科で教授として教鞭(きょうべん)をとるかたわら、彫刻家として大地の芸術祭や個展などで作品を発表し続ける鞍掛さんは、企業とのコラボレーションにも積極的ですね。特に、2012年ころから継続している、アメリカ発のシューズブランド「キーン」とのサンダルデザインコラボや社会貢献活動はユニークだと思います。また、サントリー白州蒸溜所の壁に彫刻を施していく過程を映像化したCMが広告賞を受賞したことも興味深いです。

キーンは鞍掛氏とのコラボで唯一無二の商品を開発。差別化につながった

サントリー白州蒸溜所

鞍掛純一(以下、鞍掛)キーンもサントリーも、コラボレーションのきっかけは、06年から毎回参画している「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」です。日本大学芸術学部美術学科彫刻コースの学生達とともに作品制作・出品すると同時に、地元新潟の方々と交流しつつワークショップなどのイベントも実施しています。最初に手掛けたのが、空家をアートとして脱皮・再生させた「脱皮する家」という作品です。私たちは、家全体を彫ることで築150年で抜け殻になっていた空き家を彫刻作品としてよみがえらせました。学生たちと160日間滞在して完成させました。現在は、農家民宿として宿泊することもできます。

脱皮する家

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