購買ビッグデータ分析のTrue Dataは、全国ドラッグストアのPOSデータによる2018年11月のインバウンド消費動向調査を発表した。ドラッグストアのインバウンド消費1店舗あたりの購買件数は、前年同月比で11.2%減少し1362件、1レシート当たりの購買単価は同4.2%増加して1万5065円だった。購買件数の前年同月割れは災害で訪日外国人数が減少した9月から3カ月連続で、今後の動向が注目される。
「神薬」と紹介された「熱さまシート」の子ども用が急上昇
売れ筋商品のランキングでは、調査開始以降初めて、子ども用の熱冷却シートが上位30位内に入った。日本の子ども用品は、品質や安全性から、幅広い商材が訪日外国人の人気を集めている。
「熱さまシート(小林製薬)」は、2014年に中国のポータルサイトで「神薬12」の一つとして紹介されたインバウンドの定番商品。当月、インバウンド消費売れ筋個数ランキングで子ども向けの「ピンクの熱さまシート」が前月の40位から急上昇し、5位にランクインした。
この商品は、大人用と比べてメントールの量が少なく刺激を抑えた冷却シート。「熱さまシート」のパッケージは、額に冷却シートを貼ったイラストが大きく描かれており、日本語がわからない訪日客がひと目見て使用法がわかることも人気の理由と言われている。
18年は初夏に、子ども用の虫よけシートやスキンケア商品の売り上げも上昇。訪日客の子ども向け商品に対する関心の高さがうかがえる調査結果となっている。
〈全国〉18年11月インバウンド消費売上個数ランキングTOP30
順位 前月順位 カテゴリ・商品
1位 1位→ リップクリーム
〈DHC〉DHC 薬用リップクリーム 1.5g
2位 7位↑ パック
〈石澤研究所〉毛穴撫子 お米のスキンケア お米のマスク 10枚
3位 3位→ フェイスクリーム
〈花王〉キュレル 潤浸保湿クリーム 40g
4位 2位↓ 目薬
〈参天製薬〉サンテFX ネオ 12ml
5位 圏外↑ 熱冷却用品・用具
〈小林製薬〉ピンクの熱さまシート こども用 増量 12+4枚
6位 5位↓ チョコレート
〈不二家〉アンパンマン ペロペロチョコ 1本
7位 4位↓ キャンディ・キャラメル
〈江崎グリコ〉ポップキャン 1本
8位 20位↑ 洗顔料
〈花王〉キュレル 泡洗顔料 150ml
9位 6位↓ 洗顔料
〈資生堂〉専科 パーフェクトホイップn 120g
10位 8位↓ 外用鎮痛・消炎薬
〈ニチバン〉ロイヒつぼ膏 RT156 156枚
11位 13位↑ 乳液
〈花王〉キュレル 乳液 120ml
12位 9位↓ 鎮咳去たん薬
〈龍角散〉龍角散ダイレクト スティック ピーチ 16包
13位 10位↓ 外用鎮痛・消炎薬
〈久光製薬〉サロンパスAe 140枚
14位 11位↓ マスク
〈アラクス〉 PITTA MASK GRAY 3枚
15位 12位↓ 外用鎮痛・消炎薬
〈ニチバン〉ロイヒつぼ膏 RT78 78枚
16位 14位↓ 鎮咳去たん薬
〈龍角散〉龍角散ダイレクト スティック ミント 16包
17位 17位→ かぜ薬
〈大正製薬〉パブロンゴールドA 微粒 44包
18位 29位↑ 健康食品
〈ピルボックスジャパン〉ピルボックス onaka 60粒
19位 19位→ 紅茶
〈三井農林〉日東紅茶 ロイヤルミルクティー 14g×10袋
20位 21位↑ キャンディ・キャラメル
〈UHA味覚糖〉コロロ グレープ 48g
21位 15位↓ キャンディ・キャラメル
〈不二家〉アンパンマン ペロペロキャンディ 1本
22位 18位↓ パック
〈ウテナ〉プレミアムプレサ ゴールデンジュレマスク ヒアルロン酸 33g×3枚
23位 27位↑ パック
〈クラシエホームプロダクツ〉肌美精 超浸透3Dマスク エイジングケア保湿 4枚
24位 圏外↑ キャンディ・キャラメル
〈森永製菓〉塩キャラメル 袋 92g
25位 22位↓ 水産珍味
〈扇屋食品〉チーズおやつ 1本
26位 26位→ 洗顔料
〈カネボウ〉フリープラス マイルドソープa 100g
27位 圏外↑ キャンディ・キャラメル
〈UHA味覚糖〉コロロ マスカット 48g
28位 25位↓ フェイス用化粧用具
〈ユニ・チャーム〉シルコット うるうるスポンジ仕立て 40枚
29位 28位↓ 外用殺菌消毒薬
〈小林製薬〉サカムケア 10g
30位 30位→ ハンドクリーム
〈資生堂〉ハンドクリーム 薬用 モアディープ 100g
〈調査におけるインバウンド消費の定義〉全国のドラッグストアにおける店舗情報をベースに、「銀聯カードが利用可能」「外国人観光客が多く集まる観光エリア」など複数の条件から「インバウンド店舗」を設計している。その「インバウンド店舗」の購買情報をもとに、「1レシートあたりの購入金額が5000円以上(免税対象)」の購入といった条件によってインバウンド消費を特定し、分析を実施している。