富士フイルムは、米ぬか脂質に含有される成分「オリザノール」が、シミの原因となるメラノソームの形成に関わる酵素「BACE2」の働きを阻害することを発見。さらに、同社の独自技術により「オリザノール」を安定的にナノ乳化し、高い浸透性を実現した「ナノオリザノール乳化物」を開発したことを発表した。
同社はまず、シミの原因となるメラノソームが形成される過程に着目。BACA2の働きを阻害することで、メラノソームの構造が完全に形成される前の未熟な状態にとどめ、メラニン産生を抑制することを実証した。BACE2を阻害する成分を探索した結果、オリザノールを発見。
しかし、オリザノールは水に溶けにくく、化粧水や美容液などの透明水系製剤で安定配合することが難しい成分であったため、研究を重ねることで、肌の浸透性を高めるオイルとともに独自のナノ化技術で乳化した「ナノオリザノール乳化物」を開発した。ナノオリザノール乳化物は、従来技術でナノ化したオリザノール分散物に比べ、肌への浸透性が2.6倍向上している。
同社は、今回開発した、高い美白効果が期待できるナノオリザノール乳化物を、来春発売の機能性化粧品に配合する予定だ。この研究内容は、11月28~30日にパシフィコ横浜にて開催の「第41回日本分子生物学会」にて発表する。