ファンケルは、研究会「25OHDを考える会」との共同研究を進めるなかで、ビタミンDの代謝物である25-ヒドロキシビタミンD3(25OHD)を摂取すると、風邪(上気道感染症)の症状を軽減する可能性を確認したことを明らかにした。

今回は、血中の25OHD濃度が不足または欠乏(30ng/mL以下)と判断される45~74歳の日本人男女250人に対し、25OHDを10ug含むカプセル、または25OHDを含まないカプセルをプラゼボとし、16週間の継続摂取をさせるとともに、風邪の症状に関する専門の調査用紙を使用して風邪症状の有無、症状の程度、生活の質(QOL)を調査した。試験に参加した250人のうち、摂取開始時から風邪をひいていた人などを除外した225人の調査データを解析した結果、摂取期間中に確認された風邪のひき始めから症状がなくなるまでの最も長い罹患期間の中央値が25OHD群で10日間、プラゼボ群では13日間となり、25OHDの摂取により風邪の罹患期間が短縮する傾向が見られた。また、風邪をひいた際の症状とQOLのスコアがプラゼボ群と比較して25OHD群で有意に低く、25OHD摂取が風邪の症状の軽減やQOLの向上などにつながることが推察された。これらの結果から、25OHDを継続的に摂取することが、風邪をひいた際の症状を軽減し、早期治癒に役立つ可能性があることが明らかとなった。なお、本研究結果は、欧州の学術雑誌「The Journal of Nutrition, Health & Aging」に掲載されるとともに、8月にシドニーで開催される「The 5th International Vitamin Conference 2018」でも発表される見通しだ。★