資生堂は、今年で11回目を迎える「資生堂女性研究者サイエンスグラント」の受賞者10名を選出した。

応募総数126名から選出された女性とその研究内容は以下の通り(敬称略)。

浅野麻実子(京都大学生存圏研究所生存圏電波応用分野研究員)
マイクロ波の精密照射による難治性乳癌治療法確立のための基礎研究

石木愛子(東北大学病院加齢・老年病科助教)
MRI 位相差シークエンスを用いたアルツハイマー病患者脳アミロイドの生体可視化

杉山清佳(新潟大学医歯学総合研究科准教授)
経験による脳の成長メカニズム【神経科学】

出浦桃子(東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻助教)
ボイドを用いた内部応力緩和による異種基板上への高品質結晶成長【結晶工学】

千葉文野(慶應義塾大学理工学部専任講師)
2次元自己集積を利用した微粒子サイズ計測【物性物理学/液体の物理/高圧物性】

樋田京子(北海道大学大学院歯学研究院口腔病理病態学教室教授)
腫瘍血管制御による新しい薬剤耐性克服戦略の構築【基礎医学/細胞生物学/腫瘍生物学/歯学】

福中彩子(群馬大学生体調節研究所分子糖代謝制御分野助教)
生活習慣病における亜鉛の役割解明 亜鉛トランスポーターZIP13 による脂肪褐色化制御機構の解明【代謝学/亜鉛生物学】

丸山美帆子(大阪大学大学院工学研究科、京都府立大学大学院生命環境科学研究科日本学術振興会特別研究員(RPD)、特任講師(京都府立大学、兼任))
光で作る薬剤候補物質の結晶多形【結晶成長】

宮部さやか(大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻助教)
ドラッグデリバリーシステムのための薬剤導入プラットホームとしての自己組織化ナノ細孔構造を有する金属表面の開発【生体材料学/環境材料学/電気化学】

守谷(森棟)せいら(中部大学工学部応用化学科講師)
化学修飾ナノダイヤモンド充てんによるナイロン66 の高性能化【高分子系複合材料】

女性研究者サイエンスグラントは、次世代の指導的役割を担う女性研究者を支援することが科学技術の発展につながるという考えのもと2007年に設立。同助成金は、対象研究分野が化粧品関連領域にとどまらず、また応募には年齢制限や教授などの推薦書が不要で、研究を推進する目的であれば女性のライフイベントのサポートなどにも幅広く使用できるといった特長がある。昨年までの受賞者約100名のうち半数以上がその後昇進、昇格し、活躍の場をさらに拡大している。
資生堂は、今後も女性研究者の研究活動を支援することにより、指導的女性研究者の育成に貢献していく。