「蚊取り線香といえば緑」の元祖 老舗日用品メーカーが、2025年4月で創業140周年 感謝の気持ちを込めた記念CMが4/2から放送開始
ライオンケミカル株式会社蚊取り線香とともに歩んだ140年―守り続ける伝統、挑み続ける革新

約80年前から稼働し続ける『蚊取り線香自動製造機』と、2022年に新設した本社工場の事務所・開発棟

家庭用殺虫剤および日用品の開発・製造・販売を手がけるライオンケミカル株式会社(本社:和歌山県有田市、代表取締役社長:田中源悟)は、1885年(明治18年)に創業し、2025年(令和7年)4月に140周年を迎えます。
1943年(昭和18年)には『蚊取り線香自動製造機』を発明し、大量生産を可能にすることで、蚊取り線香を世界に広める礎を築きました。それ以来、お客様の暮らしに寄り添いながら、多彩な商品展開を続けてきました。蚊取り線香をはじめ、殺虫剤、防虫剤、消臭・芳香剤、洗浄剤、入浴剤、除菌剤など、幅広い日用品の開発・製造・販売を手がけています。また、PB・OEM(プライベートブランドおよび他社ブランド製品)の事業展開にも積極的に取り組み、自社ブランドを含めて1500種類以上という中小企業では異例の豊富な商品バリエーションを世に送り出してきました。
「人々の暮らしをより豊かに」という信念を胸に、長年にわたって培った技術やノウハウを活かして時代とともに進化を続け、さらなる成長と発展を目指して取り組みを続けています。
このたび、140周年の節目を迎えるにあたり、これまで支えてくださったお客様や関係者の皆様への感謝の気持ちを伝えるとともに、新たな未来に向けた意気込みを表すための記念CMを制作し、放送することとなりましたのでお知らせいたします。
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【ライオンケミカル株式会社140周年記念CM情報】
・放送開始日 2025年4月2日(水)
・放送局 テレビ和歌山 ※記念CMは公式チャンネルでも公開
https://www.youtube.com/watch?v=G7pVQSo7g_s
30秒バージョン 140年記念CMには、本社工場の従業員が全員参加で出演
https://www.youtube.com/watch?v=YCTKbykqCWc
15秒バージョン
140年の長い歴史の中で業容を拡大し、多くの関連施設を整備するとともに、多くの従業員が力を発揮する場を築き上げてきた当社。CMではその成長と発展の軌跡をわかりやすく発信しています。
また、この記念CMは、これまで当社の発展に貢献してくれた従業員への感謝の気持ちが込められています。従業員のご家族やお知り合いがテレビでこのCMを目にした際、「自分の家族、友人はこんなに素晴らしい会社で働いているんだ」と誇らしい気持ちや憧れを抱いてもらえるようにとの願いがこもっています。
これからも未来へ向かって、従業員一同で新たな一歩を踏み出し、『新しいライオンケミカル』の創造を目指して進んでまいります。
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この140年にわたる歩みの中で、当社の発展を支えてくださったお客様、取引先様、そして多くの従業員の皆様に、心より感謝申し上げます。皆様の温かいご支援とお力添えがあったからこそ、今日までこの道を歩み続けることができました。
本年は、当社にとって特別な節目の一年です。この記念すべき年を、『先人たちへの感謝と敬意を胸に、改めて原点に立ち返る一年』と位置づけ、これまでの歴史に思いを馳せる機会としたいと考えております。
本プレスリリースでは、当社のあゆみを振り返り、原点である蚊取り線香の歴史とその取り組み、そして未来への思いを皆様にお届けいたします。
■世界初の自動製造機を発明し、蚊取り線香のスタンダードスタイルを確立

『蚊取り線香自動製造機』から誕生した『巴型渦巻蚊取り線香』の当時品
本社工場を構えるライオンケミカルは、世界初となる『蚊取り線香自動製造機』を発明しました。この技術革新により、大量生産が可能となり、蚊取り線香を普及させる大きな一歩を踏み出しました。
現在もなお、熟練した職人たちが自動製造機を巧みに操りながら製造を続け、その歴史ある製造技術を継承しています。また、自動製造機から生まれた2巻の渦巻が合わさった形状の『巴型渦巻(ともえがたうずまき)蚊取り線香』は、現在のスタンダードなデザインとして広く普及。日本国内はもちろん、海外でも『モスキートコイル』の名称で親しまれ、デング熱やマラリアなどの蚊が媒介する伝染病から人々を守るための必須アイテムとなっており、ライオンケミカルの取り組みは、生活の質を向上させるだけでなく、命を守るという役割を果たしています。


NPO法人を通じて、毎年スリランカなどに当社蚊取り線香を寄附。生活必需品として愛用されている
■コロナ禍をビジネスチャンスに――業界初の蚊取り線香を次々と新開発

アウトドアタイプの『厚太』と燃焼完了後も効果が持続する『ライオンかとり せんこう』
140年の長きにわたり、殺虫・忌避剤と真摯に向き合ってきた当社は、常に時代のニーズに応えるべく、蚊取り線香に魅力的で新しい価値を加える取り組みを続けてきました。新たな殺虫成分の採用や、太さや長さ、香りに工夫を凝らした線香の開発など、次々とチャレンジを重ねることで、多彩なニュータイプの商品を市場に送り出しています。
・おうち時間を快適に――燃え尽きた後も殺虫効果が残存する蚊取り線香
長年ユーザーに愛されてきた当社の看板商品『ライオンかとり せんこう』は、2020年に殺虫成分を変更し、大きくリニューアルしました。それまで当社は、蚊に対し即効性のある成分『アレスリン』を蚊取り線香の主な有効成分として使用していましたが、開発チームは新たな殺虫成分として、揮散性が高く、よりヤブ蚊に効くという殺虫成分『メトフルトリン』に着目。業界で初めて蚊取り線香に『メトフルトリン』を配合し、商品化したのです。
従来の蚊取り線香は、燃焼が終わると有効成分が揮散されなくなり、効力がなくなります。
しかし、『メトフルトリン』の配合バランスに工夫を施した『ライオンかとり せんこう』は、室内に限りますが、燃焼した後も有効成分が残存し殺虫効果が3時間も持続。トータルで約10時間も殺虫効果を発揮します。
実は、『メトフルトリン』配合の線香開発に加え、燃焼後も効果が持続する蚊取り線香も、当社が業界で初めて商品化。おうち時間が長くなったコロナ禍では、長時間虫よけしたいというユーザーのニーズとマッチし、PBでの商品展開含め、好調な売れ行きを記録しました。
・厚生労働省が初めて認めたアウトドアタイプの蚊取り線香
『ライオンかとり せんこう プレミアム 厚太(あつぶと)』は、従来の蚊取り線香の約2倍の厚みをもち、見た目にもインパクト抜群な当社の自信作です。さらに、『厚太』は蚊取り線香として初めて、屋内・屋外共に効果があることを厚生労働省から認められた、業界初の画期的な商品です。
あまり知られていない事実ですが、『厚太』が生まれるまでに世に出ていた蚊取り線香は、屋内のみの殺虫効果で厚生労働省から承認を受けており、屋外での効果は認められていませんでした。一方、『厚太』は、防除用医薬部外品として国に認められており、アウトドアでの使用においても確かな効果を発揮します。室内はもちろん、屋外でも半径6メートルのバリア効果が期待できるため、キャンプやバーベキュー、庭いじりなどのアウトドア活動を安心して楽しめます。
2019年の発売以来、多くのご支持をいただいており、コロナ禍の際に加熱したキャンプブーム時には、『アウトドアスパイス ほりにし』でおなじみの和歌山のアウトドアショップ『Orange』様とのコラボレーションによる『厚太』のバリエーション商品を展開。改めてアウトドア向け蚊取り線香の認知拡大と購買促進に繋げました。
■なぜ和歌山県有田市が蚊取り線香発祥の地となったのか――

大正時代、和歌山県有田市で大量栽培されていた除虫菊の畑
蚊取り線香の原料である植物『除虫菊』は、 セルビア共和国で発見され、花や葉の粉末に含まれる成分に殺虫効果があると伝わり、日本には1881(明治14)年頃に紹介されました。
やがて国内数か所で栽培が始まりましたが、除虫菊の生産管理が容易ではなく、農産物となるほどの収穫量は得られない状況が続いていました。
そんな中、除虫菊の商業的栽培に成功したのが、江戸時代から高級品として知られる『有田みかん』の産地である、現在の和歌山県有田市の人々でした。 有田市には、裕福なみかん農家や新しいものに取り組む好奇心旺盛な人物が多かったことから、除虫菊栽培に挑戦する人々が続出したそうです。
何度も研究栽培を続ける中で、有田市の人々は、合理的な米との二毛作栽培を確立し、生産の流れが定着。したことで、地域内に除虫菊農場や関連会社は20社近く設立され、有田市は次第に『除虫菊』そして『蚊取り線香』発祥の地として広く知られるようになったのです。
■『蚊取り線香自動製造機』誕生の秘密とは――

上山彦松が苦心の末完成させた『蚊取り線香自動製造機』
栽培された除虫菊は、当初は『のみとり粉』としてパウダー状に加工して販売されていました。しかし、より手軽で長時間使える形に改良されたのが、渦巻型の蚊取り線香です。
この新しい形状の蚊取り線香は消費者からも好評でしたが、実はまだ製造方法に大きな課題が残されていました。渦巻型は、長さ100cmほどの生地を2本ずつ手作業で均等にぐるぐると巻いて乾燥させるという、非常に手間と時間のかかるものだったのです。
様々なメーカーがこの難題に頭を悩ます中、この難題に挑んだのが、当社の前身である山彦除虫菊株式会社の社長、上山彦松でした。
上山は、水車を建設して製粉を増産し、発電機を導入するなど、オートメーション化の先駆者でもありました。そんな上山が考案したのは、クッキーの型抜きのように、シート状にした線香の生地を線香型に打ち抜くというアイデアでした。
1943(昭和18)年、そのアイデアは機械として形になり、世界初の『蚊取り線香自動製造機』の開発に成功。 この発明により大量生産体制が整う中、他メーカーでも蚊取り線香の製造に拍車がかかります。有田市の栽培だけでは賄えなくなったため、各メーカーが北海道や瀬戸内海、九州などでも除虫菊畑をもうけ、大規模産業として発展していくかに見えました。ところが、ここで予期せぬアクシデントが起こりました。1941(昭和16)年に開戦した太平洋戦争です。
■瓦礫の中唯一残った『蚊取り線香自動製造機』――戦争や水害も乗り越えた会社復興のシンボル
戦争の長期化に伴い、日本各地で食糧や物資不足が深刻化。有田市でも食糧不足解消のため、除虫菊畑を食糧となる作物の栽培に切り替えられました。戦後、除虫菊の栽培は再開されましたが、依然として食用作物の需要が多く、除虫菊の調達は困難でした。
さらに追い打ちをかけるように1953(昭和28)年7月には『紀州大水害』が発生。有田川を含める数か所の増水により、本社工場も大きな被害を受けました。
この災害では大勢の人が亡くなり、何千ものの家屋が流され、工場設備もほとんどが流されてしまいました。
水害のあと、当時の社員たちは大量の瓦礫の中で呆然としたそうです。しかし、その中で、社員たちが瓦礫の中で発見したのが、唯一残った『蚊取り線香自動製造機』でした。水害にも負けずに残った自動製造機を会社復興のシンボルとして修理し、社員たちは新たな挑戦に向けて歩み始めました。
■危機を救った合成ピレスロイド――緑色の蚊取り線香誕生の裏側
修復された自動製造機が稼働しても、除虫菊がなければ蚊取り線香は作れません。この状況を打開するべく、当社は1953(昭和28)年、当時の住友化学工業グループが開発した『合成ピレスロイド』にいち早く着目しました。
合成ピレスロイドは、ピレトリンに似た化合物で、熱安定性がよく揮発性にも優れているうえに、除虫菊を栽培する畑・期間・人手も不要となるためコスト削減につながる画期的な素材でした。
しかし、試作段階で合成ピレスロイドを混ぜた混合した蚊取り線香が真っ黒になるという問題が発生。印象の良くない色だったため、当社が除虫菊の植物をイメージさせる緑の色素を入れることを提案しました。
その結果、世界初の『緑色の巴型渦巻蚊取り線香』が誕生。この革新により、蚊取り線香の大量生産体制が整い、後に当社が機械の特許を公開したことで、生産量は爆発的に増加しました。
蚊取り線香は、世界90か国へ輸出される日本の特産品として人々に親しまれるようになったのです。
●『蚊取り線香自動製造機』の受賞(章)歴
・昭和30年。研究者・科学者の功績を顕彰する全国発明表彰において『蚊取り線香自動製造機』が“発明賞”を受賞。
・昭和35年。科学技術分野で発明・発見における優れた業績を挙げた人に贈られる“紫綬褒章”を受章。
■SDGsの先駆的商品『蚊取り線香』を後世に伝えていく

歴史解説や販売イベントなどを通じて、子どもたちに蚊取り線香の魅力を伝える

和歌山県有田市は『有田みかん』の産地として、全国的に認知されていますが、『蚊取り線香』発祥の地であることは、あまり知られていません。これは有田市に住む子どもたちにとっても同様であるため、当社は未来を託す子どもたちのために、多様な学びを提供しています。
・県内の小中高生に向けた社会見学に受け入れ
工場見学で実際の働く人や製品ができるまでの様子を見てもらうだけでなく、座学で地元の特産品である蚊取り線香の歴史や魅力を伝えています。昔から蚊取り線香の原料には、捨ててしまう廃材やみかんの皮(時期による)などを有効活用しており、『蚊取り線香』はまさに元祖SDGs商品といえます。そういった事実を知らない(蚊取り線香に触れる機会がない)学生たちは、興味津々に線香を手に取って、「線香は何種類あるの?」「一日の生産量は?」などたくさんの質問を投げかけてくれます。
・地元の中学生が行う地域活性プロジェクトへの参画
2年かけて地元の中学校で出張授業を行い、2024年6月には、蚊取り線香をお客様に店頭販売し、魅力を伝えるイベントを開催しました。中学生たちが中心になって蚊取り線香のCM動画や店頭POPを事前制作し、イベント当日は、地元スーパーの一角を借りて、当社社員とともに接客から販売までを体験してもらいました。集客や売上など、全てが想定を上回る結果となり、有田市の産業全体を盛り上げるプランの1つとして大成功を収めました。
●YouTubeショートでも関連動画を公開中
工場見学
https://youtube.com/shorts/hI1T8enL3MY
中学生の販売イベント
https://youtube.com/shorts/9scsJtsN6Ws
https://youtube.com/shorts/2b1Yq_BTAMY
https://youtube.com/shorts/dNzVPayiY2M
■日本文化の象徴――伝統と魅力を守り続ける使命
近年、蚊取りアイテムは、臭いや煙が出ないスプレータイプが主流になりつつありますが、蚊取り線香には、他にはない魅力があります。その香りの良さ、風情を感じさせる見た目の美しさ、煙が出ているからこそのわかりやすさ(スプレーは効き目が切れるタイミングを覚える必要があります)など、様々な魅力を兼ね備えた日本の文化的財産です。
ライオンケミカルは、蚊取り線香を時代にあわせてアップデートさせながら次世代に伝えていく使命を胸に、150年、さらには200年と歴史の年輪を重ねていけるよう、さらなる発展を目指していきます。
【会社概要】
会社名 :ライオンケミカル株式会社
代表取締役社長:田中 源悟
本社所在地 :〒649-0311 和歌山県有田市辻堂 1 番地 1
URL :https://www.lionchemical.jp/ 創業 :明治18年4月 創立 :昭和14年4月
資本金 :1 億円
従業員数 :290 名
事業内容 :蚊取り線香をはじめとする家庭用殺虫剤、及び日用品(洗浄剤、芳香・消臭剤、浴用剤など)
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